夏の甲子園4強、近畿勢独占はなぜ起きた? 身近にいる“優勝候補”と調整面…
京都国際の小牧監督「みんなが桐蔭を倒そうと練習していることが要因じゃないか」
第103回全国高校野球選手権は1日の休養日を挟み28日に甲子園球場で準決勝が行われる。第1試合は近江(滋賀)-智弁和歌山(和歌山)、第2試合は智弁学園(奈良)-京都国際(京都)と史上初となるベスト4校全てが近畿勢という顔ぶれとなった。近畿勢の躍進を各校の監督はどうみているのか?
26日の準々決勝第1試合で敦賀気比(福井)にサヨナラ勝利を収めた京都国際・小牧憲継監督は「やっぱり大阪桐蔭さんが。今回はたまたま負けられたが、みんなが桐蔭を倒そうと練習していることが要因じゃないかなと思います」と語った。
甲子園に出場すれば毎年のように優勝候補に名前が挙がる強豪校。選抜出場をかけた秋の近畿大会では兵庫、京都、奈良、滋賀、和歌山の代表校たちは避けては通れない相手だ。今春の近畿大会でも大阪桐蔭は智弁学園、智弁和歌山を倒し優勝しており「打倒・桐蔭」を目指すチームが自然と力を付けるというのも納得だ。
逆転サヨナラ負けで4強入りを逃した明徳義塾(高知)の馬淵史郎監督は調整面の有利差を口にする。今大会は悪天候で順延が相次いだこともあり「第一に、これだけ雨で伸びたら練習するところがない。地元の学校はできるが、地方から来ている学校は練習会場が確保できない」と指摘。
大会史上最多となる6度の順延となったことで各校の調整が難しかったのは事実。百戦錬磨の名将は「もう一つは近畿のレベルが高い。高校野球のレベルが高くなっている」と実力は認めていたが、予想外の悪天候には嘆くしかなかった。
泣いても笑っても残り3試合。コロナ禍で2年ぶりの開催となった選手権大会を制するのは一体どこになるのか、懸命に白球を追う球児たちの姿を見届けたい。
(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)