ロッテ国吉佑樹は澤村拓一の“再来”か 途中加入してブレークした理由に迫る
奪三振率や与四球率は低下、打たせて取る投球にシフト
国吉が今季が投じた球種について見ていきたい。各打者の打席の最後に投じた、いわゆる「結果球」の割合を移籍前後に分けて紹介する。
DeNA時代とロッテ移籍後で、球種配分に大きな変化は見受けられない。ただ、ロッテ移籍後はツーシームをほぼ完全に封印し、フォークの割合を少し多くしているように、細かな違いが生じている。移籍前後のどちらも、決め球でもあるフォークの割合は10%前後。ロッテ移籍後は使用頻度が若干増加している。今季は速球とカットボールを軸に投球を組み立てているが、移籍後はその傾向にやや変化が見られた。
次に、移籍前後で記録した数字を基に、各種の指標について見ていきたい。
奪三振率、与四球率ともに移籍後は低下しており、K/BBは1.63と極端に悪い数字に。ロッテで抜群の安定感を発揮しているが、指標ではむしろ、DeNA時代のほうが良いという点はやや意外だ。
移籍前は三振を奪うことを主眼に置いた投球を繰り広げていたと考えられる。一方で、移籍後に記録した内野ゴロでのダブルプレーが14試合を投げた時点で3度もある点は見逃せない。奪三振率の低下も含め、打たせて取る投球へとシフトしつつあるという点が、各種の数字からも読み取れる。