ロッテ国吉佑樹は澤村拓一の“再来”か 途中加入してブレークした理由に迫る
ゴロ率も奪三振率も高いカットボールはまさに「決め球」
続けて、国吉が移籍後に記録した球種別の成績を見ていきたい。
まず目を引くのが、被打率.200と抜群の安定感を誇っているカットボール。この球種は一般的には打たせて取るために用いられることが多く、国吉もカットボールで6つのゴロを打たせており、四球や犠打などを除いた打数全体のうち、ゴロが占める割合が.319に達している。
一方で、国吉のカットボールは140キロ台中盤に達する速度から鋭く曲がるため、三振を奪うための球としても頼ることができ、球種別で最多の7三振を奪っている。打たせて取る際にも、空振りを取る際にも使える、まさに「決め球」と呼ぶに相応しい球種だ。
DeNA時代の2019年に161キロを計測した快速球は、国吉にとって最大の持ち味の一つだ。しかし、移籍後は被打率.238と、3つの球種の中で最も高い数字に。速球で奪った三振が2つにとどまっている一方で、20打数のうちゴロが7つと、カットボールよりも速球のほうがゴロ比率が高くなっている。
フォークは結果球になった回数が6回とさほど多投してはいないが、うち3回が三振と、空振りを奪う球として一定の威力を発揮している。速球とカットボールの割合が多いからこそ、フォークの存在そのものが投球術の幅を広げている面もあるだろう。