大谷翔平、103年ぶり偉業お預けも… 記録ラッシュで思い出させた10人の“偉大な選手”

エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】
エンゼルス・大谷翔平【写真:AP】

45発&25盗塁は元広島ソリアーノ以来15年ぶり、シーズン100得点は日本選手では2008年イチロー以来

■エンゼルス 7ー2 レンジャーズ(日本時間30日・アーリントン)

 エンゼルスの大谷翔平投手は29日(日本時間30日)、敵地・レンジャーズ戦で「1番・指名打者」で先発出場し、史上6人目の「45本塁打&25盗塁」を達成した。6回の第3打席で一塁内野安打を放ち、その後に二盗を記録。シーズン25盗塁として、大リーグでは15年ぶりの偉業を決めた。日本選手では2008年イチロー(マリナーズ)以来13年ぶりのシーズン100得点をマークするなど記録ラッシュの1日となった。

◇ ◇ ◇ ◇

 豪快アーチは出ない。投手も今季の戦いを終えた。それでも、大谷には足がある。2-2で迎えた6回先頭、一塁内野安打で出塁すると、1死後に二盗に成功。シーズン25盗塁として「45本塁打&25盗塁」を達成した。マドン監督は「数多くの画期的な出来事は今年が初めてだったが、私は彼ならこれを続けられると思っている。彼は向上し続けている」と、さらなる期待を口にしたが、これはメジャー史上でもかなりのレア記録だ。

 45本塁打以上、25盗塁以上を同一シーズンで記録したのは大リーグ史でも過去に5人しかいない。1993年にジャイアンツのバリー・ボンズ(46・29)が初めて達成。1997年ロッキーズのラリー・ウォーカー(49・33)、1998年ブルージェイズのホセ・カンセコ(46・29)、1999年ブレーブスのチッパー・ジョーンズ(45・25)、元広島で2006年ナショナルズのアルフォンソ・ソリアーノ(46・41)がマーク。“俊足スラッガー”を思い出させる15年ぶりの達成だった。

 この二盗後にメイフィールドの中前適時打で勝ち越し生還。節目のシーズン100得点に到達した。日本人選手の100得点はイチロー(2001、2008年)、松井秀喜(2004、2005、2007年)に次いで3人目。さらに米放送局「バリースポーツ・ウエスト」によると、「45発&25盗塁&100得点」はア・リーグ史上初だという。アウトになったって大谷には記録が付く。初回先頭の見逃し三振はシーズン185個目の三振。2013年マーク・トランボ、2014年マイク・トラウトを超えて球団新記録となった。

 この日の試合前には今季残り試合で登板しないことが決まった。あと1勝すれば、両リーグでは1918年ベーブ・ルース以来103年ぶりの「2桁勝利&2桁本塁打」だったが、その偉業は来季以降にお預けになった。ただ、たった1日でこれだけ過去の偉大な選手たち(球団三振記録、未達成の2桁勝利&2桁HRを含めると計10人)を挙げさせた選手は他にいるだろうか。

 試合後のマドン監督の会見。すでに消化試合ということもあるだろうが、米メディアからの全5問のうち3問が大谷関連だった。レンジャーズ側の会見でも「オオタニ」の名前は出た。味方も敵も大谷に魅了された夜となった。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

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