DeNAが克服すべき「来季への課題」 打力は随一も…ゼロ封負けに見えた“単調さ”

DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】
DeNA・三浦大輔監督【写真:荒川祐史】

4人が打率リーグトップ10入り、牧も11位につける強力打線の裏側

■阪神 2ー0 DeNA(6日・横浜)

 DeNAは6日、本拠地・横浜スタジアムで行われた阪神戦に0-2と零封負けを喫し、今季最大の借金18に膨らんだ。すでに今季の負け越しは決まっているが、5度にわたって先頭打者が出塁しながら1点も取れなかった拙攻に、来季へつながる課題が表れていた。

「ノーアウトのランナーを生かせなかったですね」

 試合後、三浦大輔監督が言葉を絞り出した。2回は、プロ初の4番に抜擢された牧秀悟内野手が先頭で左前打を放ったが、続く宮崎敏郎内野手の三直で飛び出し、あえなく併殺。3回には8番の戸柱恭孝捕手が左前打で出塁するも、続いて打席に入った大貫晋一投手の送りバントが一飛となり、走者を進めることができなかった。

 相手に2点を先制された直後の4回には、先頭の楠本泰史外野手が左前打、続く牧も左線二塁打を放ち、無死二、三塁という最大のチャンス。ところが、阪神先発・西勇の粘り強い投球の前に宮崎が一ゴロ、ネフタリ・ソト内野手が投ゴロ、大和内野手が左飛に打ち取られ、無得点に終わった。5回には戸柱が中前打を放ち、ついに4イニング連続の先頭打者出塁となったが、大貫の3バント失敗で生かせなかった。8回にも、阪神3番手の岩崎から桑原将志外野手が中前打を放ったが、続く佐野恵太外野手が二ゴロ併殺打に倒れ、5度も地団駄を踏んだのだった。

 先発投手の大貫は、7回途中まで6安打2失点の好投だったが、自ら2度も送りバントを失敗しただけに、単純に「援護がなかった」とは言い切れない。

 DeNA打線は6日現在、左ふくらはぎ肉離れで登録抹消されたタイラー・オースティン外野手を含め、桑原、佐野、宮崎の4人が打率でリーグトップ10入り。打率.287の牧も11位につけている。それだけに、ひとたびヒットが重なった時の破壊力、痛快さは12球団随一。半面、バントや進塁打などで泥臭く走者を進めることができる野手は少ない。しかも、12球団ワーストのチーム盗塁数26(トップの阪神は106)が示すように走力に欠け、ヒット待ちの単調な攻撃に陥りがちだ。

「終わったことを言っても仕方がないが、もう一歩でした……」と諦めきれない表情を浮かべた三浦監督。就任1年目の指揮官も日頃から「いつもいつもガンガン打てるわけではない。いろんな形で点を取れるようにならなければ」と口にしており、課題は把握している。

 すでに全日程が終了した2軍は、イースタン・リーグ7球団中2位の97盗塁を記録し、将来へ向けて明るい兆しを見せた。上位進出にはシーズンオフの補強も含め、強力打線の体質改善が必要と言えそうだ。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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