就活先の社長が“入社拒否”「プロ目指せ」 早大準硬式の理系外野手が果たす約束

早大準硬式野球部・関大輝【写真:川村虎大】
早大準硬式野球部・関大輝【写真:川村虎大】

昨年10月、インターン先の社長の言葉でNPBを目指すことを決意

「やりたいことが本当に見つからなかったんですよね……」。勉強も好きで、野球も好き。ただ、いざ就職となると、自分は何をしたらいいのか分からなかった。そんな時、インターン先の社長と会食する機会があった。そこで、野球について熱く語ると、社長が知り合いの元NPB選手を紹介し、こう話した。

「うちの会社に来なくていいから、プロ野球選手を目指しなさい」

 小さい頃からの夢だったNPBへ挑戦してみたい。そう思えるようになった。紹介された元選手からは「一芸に秀でていないと厳しい」「その体型(176センチ、78キロ)の外野手なんて沢山いる」「入った先を見据えていないと意味がない」など厳しい助言を受けたが、逆にプロへの熱意を駆り立てられたという。「良いものって人に言いたくないじゃないですか。だから、プロの世界はそんなにも良いものなのかと思うようになりました」。両親や池田訓久監督とも相談し、昨年10月にプロを目指す決意を固めた。

 あくまで目指すのは日本最高峰の舞台、NPBのみ。社会人で野球を続けることは考えていない。ただ、現実は厳しいことも分かっている。過去に早大準硬式野球部からNPB入りしたのはたったの2人だけだ。

 それでも、他者にはない“分析力”が自分には備わっていると考えている。プロでは長打が必要になると考え、打撃フォームを修正。3年間で4本塁打だったが、今年1年で6本を放つなど、進化を遂げている。「技術では敵わないことは分かっていますから。もし指名頂いたらそのチームは何が弱点で、必要としているのかを分析して、穴を埋められる選手になりたいです」。指名されるかどうかではない。関は既にその先の舞台を見据えている。

◯関大輝(せき・だいき)
1999年12月27日、千葉県船橋市生まれ。右投左打。外野手。父の影響で物心がつく前から野球に接し、小学1年から所属した「夏見台アタックス」では3学年下に巨人・秋広優人外野手がいた。中学時代は船橋シニアで4番を務め、茨城・江戸川学園取手高に進学。現在は早大基幹理工学部に在籍し、人工心臓を研究している。趣味はテニス、ゴルフ、勉強を教えること。家庭教師を務め、教え子を医学部や早大に進学させた実績を持つ。憧れの選手は巨人・丸佳浩外野手。

【動画】準硬式野球部からNPB入りを目指す!異色の決断を下した早大・関の豪快スイング

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