戦力外で消えゆく“V戦士”たち 広島3連覇支えた鉄腕、楽天初優勝に貢献の名手も

広島・今村猛、楽天・藤田一也、西武・多和田真三郎(左から)【写真:荒川祐史】
広島・今村猛、楽天・藤田一也、西武・多和田真三郎(左から)【写真:荒川祐史】

広島が6選手に戦力外通告…今村は“勝利の方程式”として躍動

 広島は14日、今村猛投手ら6選手に来季の契約を結ばないことを伝えたと発表した。今村はセットアッパーや守護神として、2016年からのリーグ3連覇に貢献。今季限りで戦力外通告を受けた選手の中には、他球団でかつて優勝の原動力となりながらプロ人生の岐路に立った選手たちもいる。

 今村は2016年に67試合に登板し、3勝4敗22ホールド2セーブで防御率2.44をマーク。抜群の安定感で25年ぶりの優勝の一翼を担った。さらに翌2017年はクローザーとしても躍動し、68試合の登板で3勝5敗17ホールド23セーブ、防御率2.38。2018年は43試合で3勝2敗13ホールド1セーブ、防御率5.17と数字は落としたものの、3連覇に貢献した。ただ、2019年以降は登板数を減らし、今季はここまで1軍登板がなかった。

 他球団に目をやると、2013年に楽天球団初のリーグ優勝と日本一の美酒を味わった藤田一也内野手が戦力外に。DeNAから移籍2年目だったその年は、128試合に出場して打率.275、1本塁打、48打点を記録し、二塁でベストナインとゴールデングラブ賞を獲得した。守備の名手も今季はチーム最年長に。ここまで1軍出場がなかった。

 2018年に16勝を挙げて最多勝を獲得し、西武優勝の原動力となった多和田真三郎投手も今季限りでチームを去ることになった。2019年オフに自律神経失調症を公表。2020年オフに育成契約となって再起を目指したが、2桁背番号への復帰を果たすことなく今季限りで戦力外となった。

 一方、ソフトバンクを退団したウラディミール・バレンティン外野手も、ヤクルト時代の2015年に優勝を経験したひとり。故障での離脱が長引いてシーズンを通した貢献はできなかったが、優勝争いが佳境に入った9月に本塁打を放つなどわずかに爪痕を残した。

 誰もが味わえるわけではない優勝の瞬間。チームの隆盛とともに輝きを放った選手たちの姿は、いつまでもファンの記憶に刻まれ続ける。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY