新人王争いは史上稀にみる接戦 奥川、栗林、牧、佐藤輝…専門家が占う栄冠の行方は

サイクル達成のDeNA牧、阪神佐藤輝は失速も中野や伊藤将も奮闘

 他にも、DeNAの牧秀悟内野手は8月25日の阪神戦で、新人では史上初のサイクル安打を達成。打率.296、22本塁打、67打点も新人離れしている。阪神の中野拓夢内野手は遊撃のレギュラーに定着し、リーグトップの27盗塁。同じ阪神の左腕・伊藤将司投手は8勝7敗、防御率2.61の好成績だ。シーズン前半、新人最多本塁打記録の31本を破るペースで打ちまくっていた阪神・佐藤輝明内野手は、8月22日の中日戦から10月3日の中日戦まで、セ・リーグ記録を更新する59打席連続無安打に陥るなど大失速した。

「例年なら、佐藤輝、牧はもちろん、中野、伊藤も新人王を取れる成績です」と飯田氏は言う。好成績を残しながら、強力すぎるライバルがいて新人王を逃した有資格者は、リーグから特別表彰されるのが通例。広島の森下が10勝を挙げて受賞した昨年のセ・リーグは、9勝の巨人・戸郷を表彰。ヤクルト・村上が受賞した2019年のセも、阪神・近本を表彰している。今年はいったい、何人が特別表彰されることになるのだろうか。

 パ・リーグでは、やはり高卒2年目のオリックス・宮城大弥投手が同僚の山本に次ぐリーグ2位の12勝(4敗)、同2位の防御率2.55をマーク。日本ハムの伊藤大海投手は9勝9敗、防御率3.00。楽天の早川隆久投手も9勝6敗、3.74で2桁勝利に近づいている。

「勝率(.750)が素晴らしく、チームへの貢献度が高い。宮城が受賞にふさわしいと思います」と飯田氏。宮城と同学年のロッテ・佐々木朗希投手も、超大物の片鱗を見せたが、開幕に出遅れたことなどから3勝2敗にとどまっている。

“凄すぎるルーキー”がズラリと顔を揃えた今季。結果的に新人王を逃す選手は、デビューした年が悪かったと諦めるしかないが、このままそろって球界を牽引する選手に育っていってほしい。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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