CS会場が“鬼門”になる可能性が!! 9勝でブレークの楽天・瀧中が抱える大きな課題
ZOZOマリンでは2試合計4回を投げて防御率36.00と苦戦
今季の楽天は則本昂大投手、岸孝之投手、涌井秀章投手といったタイトルホルダーの存在に加えて、田中将大投手が復帰し、早川隆久投手も新加入。実績十分の投手にゴールデンルーキーを加え、強力な先発陣が形成されると目されていた。しかし、昨季の最多勝投手でもある涌井が防御率5点台と不振に陥った。田中将は好投しながら勝ちがつかない試合も多く、則本昂、岸、早川はいずれも防御率3点台と一定の投球を見せているが、シーズン前の期待通りの展開になっているとは言い難い面がある。そんな中で、瀧中が不振の涌井の穴を埋めるだけでなく、期待値の高かった投手たちを上回るほどの内容を見せている。
瀧中は本拠地の楽天生命パークでは9試合に先発し、防御率2.36。ビジターでもZOZOマリンスタジアムを除くすべての球場で防御率3点台以下と、ほぼ球場を問わずに安定した投球を続けている。だが、ZOZOマリンでは登板した2試合で4イニングしか投げられず、自責点16で防御率36.00。他球場ではいずれも好投していることを思えば、いささか特異な傾向といえる。
ZOZOマリンでの登板を除く試合での防御率は1.92と抜群の安定感を誇っている。これだけの投球を見せながら防御率が3.32にとどまっているのは、言うまでもなくZOZOマリンでの投球結果が原因となる。こうした相性を勘案してか、7月4日の試合を最後にZOZOマリンでの登板は一度もない状態が続いている。
次に、瀧中が今季登板したZOZOマリンでの2試合における投球内容を見て、この球場を苦手としている理由について考えていきたい。4月1日の試合で瀧中はボールゾーンに32球を投じたが、そのうちロッテの打者が手を出してきたのは3球のみ。中村奨吾内野手に対してはフルカウントから1打席目はフォーク、2打席目はカーブを投じ、いずれも四球を選ばれている。喫した被安打7本のうち、本塁打2本を含む4本がストライクゾーンのストレート。残る3本のうち2本はカットボール、1本はチェンジアップと、総じて速いボールに狙いを絞られていたことがうかがえる。ストライクとボールがはっきりしていたこともあり、ストライクゾーンに置きに来た速球系の球を捉えられた、と総括できそうだ。