西武伝統の“つなぎの野球”不発 残り4試合、迫る42年ぶり最下位の危機

西武・中村剛也(左)と栗山巧【写真:荒川祐史】
西武・中村剛也(左)と栗山巧【写真:荒川祐史】

21世紀最下位なしは巨人と西武だけ

 今季の西武は開幕直後から故障者が続出。主力が顔をそろえる期間が非常に短く、スタメンが“猫の目”となったこともあって、チーム伝統のつなぎの野球が機能しなかった。この日も主将の源田が、前日に自打球を当てた影響で欠場していた。

 とはいえ、ケガを言い訳にしてはいられない。2017年から19年まで3年連続リーグトップを誇ったチーム打率は、昨年.238で5位。今季も現時点で5位の.241と低落傾向にある。野手陣を牽引してきた栗山、中村のチーム野手最年長コンビも来季は39歳となることから、“山賊打線”には根本的なテコ入れが必要となりそうだ。

 21世紀に入ってから最下位になったことがないのは、12球団で巨人(1975年に球団史上唯一の最下位)と西武だけ。辻監督就任後も昨年までは4年間で優勝2回を誇り、Bクラスもなかった。現役時代に名二塁手として黄金時代を支えた辻監督としては忸怩たる思いだろう。今季残り4試合のうち、3試合は日本ハムとの“直接対決”。最下位回避のために意地を見せることも大事だが、来季へ向けて中堅、若手の奮起こそ望まれる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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