優勝に近づくヤクルトとロッテに共通する強み 得点増に欠かせぬ重要な“率”とは?

4位に沈んだソフトバンクは1、2番の出塁率の低さが際立つ

 ロッテのチーム出塁率.323は楽天に次いでリーグ2位。ただ、荻野が座る1番の出塁率が.371と他の5球団を凌駕する。シーズンを通じてマーティンや藤原が入った2番も.340と高い率で、これを中村奨やレアードらが返す形。チーム長打率.382はリーグトップでバランスが取れた打線だった。ロッテに次ぐ547得点のオリックスも福田、宗の1、2番が3割を超える率で出塁し、3番の吉田正、4番の杉本という長打のある中軸が返すという打線の並びになっていた。

 これらの球団と対照的だったのが、パ・リーグで4位に沈むソフトバンクだ。今季、得点力不足に悩まされ続けてきた要因の1つが、上位打線の出塁率の低さにある。周東、牧原大、三森が起用されていた1番の出塁率はわずか.268。2番も.304と他球団に比べて低い。柳田という球界トップクラスの主砲が中軸にいながら、その前に走者が置けない状況になっていた。それでも、リーグ3位の542得点を奪っており、上位の出塁率が改善されていれば、また違った展開になっていたかもしれない。

 また、パ・リーグで出塁率トップだった楽天の520得点はリーグで5位の少なさだった。1番は.320、2番は.361と出塁率は高く、3番、4番もそれぞれ100個を超える四死球を選んでおり塁を賑わせた。ただ、チーム長打率が4位の.366と伸びず、歯車が噛み合わなかった。島内が打点王を争う活躍を見せているが、長打のある浅村が本調子ではなかったのも響いた。

 チームの得点数を増やすことに繋がる上位の出塁率と長打率。今季の各球団の戦いぶりを見ても、打線を組む上で、これらは打率以上に重視すべきポイントと言えそうだ。

(Full-Count編集部)

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