貧打解消よりも投手力整備が優先? 中日・立浪新監督が描く再建の“青写真”
就任会見で語ったチーム作りの方針「もう一度、投手陣の整備をしっかりと」
中日の立浪和義新監督が29日、チームの再建に向けた青写真を語った。球団からの正式な就任要請を快諾し、名古屋市内で会見。12球団ワーストの得点力に苦しんだ貧打が今季低迷の原因との声もあるが、新指揮官は独自に描く強化方針の一端を明らかにした。
昨季は8年ぶりにAクラス入りしながら、すぐさまBクラスに逆戻りした今季。チーム防御率3.22に象徴されるように12球団屈指の投手陣が奮闘した一方で、野手陣は貧打を極めた。69本塁打も、405得点も、12球団ワースト。1試合平均3点も取れない打線が、僅差の試合を何度も落としてきた。
今月のドラフト会議でも、1位のブライト健太外野手(上武大)ら大砲候補を次々と指名。打線のテコ入れに着手したのは明らかだが、チーム作りについて問われた立浪監督がまず挙げたのは投手力だった。
「今年は投手陣がすごく良かったと評価されていますが、野球はピッチャーが試合の8割を占めていくと思っています。もう一度、投手陣の整備をしっかりとして、センターラインを固めた、守り勝つだけではないんですけど、そういった野球をできるように」
鮮明にした“攻”より“守”の足場固め。「ピッチャーズパーク」とも称される広い本拠地・バンテリンドームで培ってきた伝統の守り勝つ野球をベースに、現代野球に則した立浪色を散りばめる――。一方の打線に関しては「1年間打てないと言われましたけど、必ず何とかします」と宣言した。
もちろん好守は勝利への両輪。同時並行での強化が求められる。2009年に引退後、シーズンを通した指導者経験はないが、「はじめから上手くいくとは思っていません」と試行錯誤は織り込み済み。「選手とコミュニケーションをとりながら、今の時代に合った指導をやっていきたい」と“令和版ドラゴンズ”の形を模索する。
1軍コーチングスタッフの陣容も発表され、準備は整った。立浪監督は11月4日からナゴヤ球場で本格的に始動する。秋季キャンプ、オフの補強、そして来春のキャンプで明らかになっていく“立浪竜”の目指す形。その成否は、勝利の数で判断されることになる。
(Full-Count編集部)