タイトル獲得は東浜1人、高卒入団も4年で引退へ ソフトバンク近年の“ドラ1育成力”

ソフトバンク・甲斐野央、東浜巨、武田翔太(左から)【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・甲斐野央、東浜巨、武田翔太(左から)【写真:藤浦一都】

2010年からの11年でソフトバンクは投手8人、野手3人を支配下で指名

 10月11日に行われた「プロ野球ドラフト会議 supported by リポビタンD」では支配下で77人、育成で51人、計128人が12球団から指名を受けた。プロ入りしてしまえば、指名された順位は関係ない、とはいうものの、やはりドラフト1位はファンの期待も大きいもの。では、各球団の過去のドラフト1位はどれくらい育っているのか。球団ごとに過去10年の“ドラ1力”を検証してみよう。

 今回はソフトバンクだ。2010年から2020年までの11年間で投手8人、捕手1人、外野手1人、内野手1人を指名している。2010年の山下斐紹捕手はレギュラーの座を掴めないまま、2017年オフに楽天にトレードに。2020年に戦力外通告を受け、今季は中日でプレーした。武田翔太投手はルーキーイヤーにいきなり8勝をマーク。2015年、2016年には2年連続で2桁勝利をあげた。ただ、今季2勝に終わったように、近年はやや苦しんでいる。

 2012年の東浜巨投手はプロ入り後、しばらくは雌伏の時が続いたものの、2016年に9勝をマーク。2017年には16勝で最多勝のタイトルを手にしたものの、こちらも近年は怪我もあって2桁勝利には届いていない。2013年の加冶屋蓮投手は、2018年に72試合に登板してセットアッパーとして活躍したが、その後は怪我に泣かされ、2020年オフに戦力外に。今季は阪神でプレーしたものの、7試合の登板にとどまった。

 2014年の松本裕樹投手は今季33試合に登板。2015年の高橋純平投手は2019年に45試合に登板して頭角を表したものの、その後は低迷しており、2016年の田中正義投手は今季18試合に登板し、ようやく戦力となりつつある。2017年の吉住晴斗投手は1軍登板のないまま、今季は育成契約となり、戦力外通告を受けた。甲斐野央投手はルーキーイヤーにセットアッパーとして65試合に登板したが、その後は故障に悩まされ、今季ようやく1軍復帰。2019年の佐藤直樹外野手はなかなか結果を残せておらず、昨年の井上朋也内野手はまだまだ育成段階にある。

 11年間で指名された選手の中でタイトルを獲得しているのは東浜ただ1人。武田や加冶屋、甲斐野など1軍の戦力になっている選手はそれなりにはいるものの、エースクラスや主軸クラスの選手にまでは育った選手は少なく、物足りないというのが現状だろう。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY