大谷翔平の相棒が“リーグ最高の捕手”とされる理由 先進指標で本塁打王ペレスを凌駕

エンゼルス・大谷翔平(右)とマックス・スタッシー【写真:Getty Images】
エンゼルス・大谷翔平(右)とマックス・スタッシー【写真:Getty Images】

スタッシーの“ストライク率”はペレスらGG賞候補3人を上回るという

 今季48本塁打を放ち、ア・リーグの本塁打王に輝いたロイヤルズのサルバドール・ペレス捕手はアスレチックスのショーン・マーフィー捕手、アストロズのマーティン・マルドナード捕手とともにゴールドグラブ賞の最終候補者にノミネートされている。しかし、米スポーツ専門メディア「ジ・アスレチック」は、今季86試合出場だったエンゼルスのマックス・スタッシー捕手がよりふさわしいとしてその理由を示している。

「ジ・アスレチック」はエンゼルスの番記者であるサム・ブラム氏による記事を「2021年の捕手を評価する:マックス・スタッシーはサルバドール・ペレスよりもゴールドグラブ賞のノミネーションに値したか?」との見出しで掲載。ゴールドグラブ賞の評価には従来の方法と、膨大な統計データを使用した分析や指標があるとし、2人を比較した。

 過去に5度ゴールドグラブ賞に輝いているペレスは今季124試合でマスクを被り、盗塁阻止率44%、捕逸1。“昔ながらの数字”では優れている。スタッシーの出場機会はペレスよりも300回2/3少なく、盗塁阻止率15%、捕逸8。これらの数字で2人の差は歴然としているが、ほぼ全ての先進的指標において、スタッシーはア・リーグで最も優れた守備力を持つ捕手の1人で、最も重要な指標の中でペレスは最低クラスに位置付けられているという。

 MLB公式データサイト「Baseball Savant」の指標によると、スタッシーは今季6失点を防いだ。これは余分に獲得したストライク数を反映したものだという。ペレスは逆に19失点多く許した計算になり、両リーグを通じて最低で、スタッシーと“25点差”がついている。最終候補にノミネートされた3人の捕手は平均で約120試合捕手として出場しているが、スタッシーは86試合。だが、より優れたフレーミング能力があり、ストライク率は49.9%でペレスの44.7%、マーフィーの47.1%、マルドナードの48.9%を上回る。

 野球専門の米シンクタンク「ベースボール・プロスペクタス」の「FRAA(fielding runs above average)」という指標では、スタッシーはア・リーグ捕手で1位の12.2、ペレスは捕手部門で両リーグ最下位の-13.3だった。さらにスタッシーは平均以上に見逃しストライクを得た数でもア・リーグ3位で、ペレスは下から9番目だった。また、スタッシーがマスクを被った際のパスボールとワイルドピッチの総数は28、ペレスは70になる。

 2人の比較は、選手の評価の仕方における“隔たり”を「強調するものだ」とブラム氏は主張する。ゴールドグラブ賞の評価基準は「単に守備の指標や統計データだけを基にした賞ではなく」むしろ「総合的な守備の優秀さ」を評価したものであるとし、これは「極めてあいまいなものである」とも。表面的にはペレスは明白なチョイスであり、スタッシーはそうではないが、実際に大事な指標に関して言えば、スタッシーの方が「優れたシーズンを送っていた」と述べている。

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