オリ宮城らバッテリー唯一の誤算 専門家は“厳しすぎた内角球”を指摘「あえて言えば」
野口氏「厳しい内角球の後だっただけに甘いコースに映ったと思います」
「青木の適時打は、狙った通りの球で詰まらせたのだから、あれ以上どうしようもない」と言う野口氏が、「あえて言えば……」と惜しんだのは、その前の塩見に許した左前打だ。
「塩見という打者は、簡単に言えば、ストレートに強く、変化球に脆い」。1球目は外角低めの140キロ速球でファウルを稼ぎ、2球目の144キロは、塩見が咄嗟に避けたほどの内角球だった。そしてカウント1-1からの3球目、内角低めへ投じた3球連続のストレートを、左前へ運ばれた。
野口氏は“キャッチャー目線”で「捕手の伏見にしてみれば、誰もが変化球を予想するところで裏をかいたのだと思う。だが、あいにく塩見は追い込まれるまでは、あれこれ考えて打つバッターではない。厳しい内角球の後だっただけに、塩見の目には甘いコースに映ったと思います。ここにバッテリーの誤算があった」と説明した。結果論だが、塩見を打ち取ってこのイニングを終えていれば、ゼロ行進はどこまで続いていたかわからない。
宮城は今季、防御率(2.51)、勝利数(13勝)、勝率(.765)の3部門で、いずれも同僚の山本に次ぐリーグ2位。その実力は日本シリーズの大舞台でも遺憾なく発揮した。末恐ろしい20歳には、もう1度出番が回ってくる可能性もある。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)