元メジャー高橋尚成氏が米国でアカデミー開校 次世代へ繋ぐ野球の魅力とは

1人1人の成長に合わせたアドバイスを送る高橋氏(右)【写真:本人提供】
1人1人の成長に合わせたアドバイスを送る高橋氏(右)【写真:本人提供】

いろいろなスポーツに挑戦を…養いたい応用力と取捨選択力

 練習では野球に限らず、いろいろなスポーツを体験させることもある。実は高橋氏自身、子どもの頃は野球だけではなくいろいろなスポーツに取り組んでいたという。「卓球、バドミントン、バスケ、バレー、水泳……上半身を使うスポーツはかなり経験しましたね。その中で『この動きは野球に使えるかも』という発見もありました」と振り返る。

「野球以外のスポーツからでも、野球で大切な動きだったり考え方だったりを学ぶことができる。よくメジャーの投手はアメフトのボールを投げて練習していますが、しっかり肘が上がっていないと真っ直ぐ投げられない。バスケットボールをシュートする時も手首の柔らかい動きが大切。こういう動きは野球の中でも大切なポイントになるので、他のスポーツからでも野球に応用できる学びがあることに気付いてほしいと伝えています」

 まずはいろいろなことにチャレンジし、そこから自分に合うもの合わないものを取捨選択する。こういった判断力を養うことは、勉強はもちろん、社会人になってからも生きる財産となる。

「ビジネスやスポーツ、その他いろいろな分野で活躍している人は、他から応用する力だったり取捨選択する力だったり、判断する感覚が研ぎ澄まされていると感じています。そういったものを子どもたちにはアカデミーで養ってもらえればありがたいと思います」

 アカデミーでは保護者とのコミュニケーションも大切にしている。子どもの将来を思うが故に「この子には野球の才能がないのでは……」と、早々に頭を悩ます保護者もいる。そんな時、高橋氏は自身の体験も交えながら考えを伝えるという。

「僕も小学生の時はよく打たれたし、ミスもしたし、怒られました(笑)。体も小さかったけれど、どうしたら野球が上手くなるか考えていたし、野球が好きだった。楽しくやっていく中で仲間も増え、気が付いたら上手くなっていました。子どもって伸び悩んでいるように見えて、急に一段飛ばし、二段飛ばしでステップアップすることもあります。僕も高校と大学で、それまでできなかったことが急にできるようになったことがありました。だから、小学生のうちに結果が出ないからといって辞めさせてしまったら成長のチャンスを奪うことになる。このアカデミーでは子どもが持つ可能性を広げるサポートをしていきたいですね」

上手な選手の物真似は成長への第一歩、かつては自身も往年のG戦士を物真似

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