8月以降は防御率1.22、奪三振率10.70 ロッテ佐々木朗希が見せた劇的進化の理由とは?

ロッテ・佐々木朗希の月別指標【表:パ・リーグ インサイト】
ロッテ・佐々木朗希の月別指標【表:パ・リーグ インサイト】

10月は奪三振率12.79、与四球率1.42、K/BB9.00と圧倒的数値を記録

 与四球率は5月から7月まで4.50、2.38、5.40とやや高く、制球面に課題があった。しかし、後半戦は大きく改善。8月が1.80、9月が0.00、10月が1.42となり、奪三振率も9月が10.13、10月が12.79だった。9月は腰の張りの影響で1試合の登板にとどまっており、8回9奪三振無四球投球だった9月10日の楽天戦の内容が、そのまま月間成績として示されている点には留意する必要がある。そういった意味でも、3試合でK/BBが9.00(27奪三振、3四球)という圧倒的数値を記録した10月の投球内容が進化をより明確に示していると考えられる。

ロッテ・佐々木朗希の捕手別成績【表:パ・リーグ インサイト】
ロッテ・佐々木朗希の捕手別成績【表:パ・リーグ インサイト】

 ではバッテリーを組んだ捕手によって投球内容に違いはあったのだろうか。プロ初登板から2試合はドラフト同期入団の佐藤都志也捕手とバッテリーを組んだが、捕手別防御率では佐々木朗と組んだ4人の捕手の中で最も悪い4.50だった。奪三振率は9.00と高かったものの、与四球率が捕手別で唯一の4点台(4.50)となっている。田村龍弘捕手と組んだ2試合でも防御率4.36。佐々木朗が今季喫した2敗はいずれも田村と組んだ際に記録されたものだった。

 柿沼友哉捕手と組んだのは6月10日のヤクルト戦だけだったが、6回4安打5奪三振2四球1失点と好投した。そして、最も相性が良かったのが加藤匠馬捕手。6試合で防御率1.22、奪三振率10.70、与四球率1.22だった。実際、8月以降の6度の登板ではいずれも加藤とバッテリーを組んでおり、月別成績が大きく改善されたタイミングとも符合している。

 デビュー当時から一定以上の奪三振率を記録していたが、当時はまだ球速が抑えめであり、制球面にも多少の乱れが見られた。しかし、登板を経るごとにスピードが増し、フォークの精度も上がり、制球力も持ち合わせるように。「令和の怪物」は、これからどんな成長曲線を描いていくのだろうか。

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