ヤクルトのリーグ優勝に1番貢献したのは誰? セのMVP候補をデータでチェック
MVPがVチームのヤクルトから出るなら候補者は…
日本プロ野球の1年間を決算する「NPB AWARDS 2021 supported by リポビタンD」が15日に開催される。投打各部門の表彰が行われると同時に、記者投票によって選出される両リーグのMVP、新人王、ベストナインも発表される。日本ではMVPは優勝チームから輩出されることが多く、セ・リーグでは日本一に輝いたヤクルト勢の動向に注目だ。ここでは投手と野手を「どれだけチームの勝利に貢献したか」という同じ土俵で比較できるセイバーメトリクスの数値「WAR」を元に、候補となる選手をランク付けしていきたい。データは株式会社DELTA(https://1point02.jp/)が算出したものを参照している。
ヤクルトは今季、セ・リーグでチーム得点が唯一600を超えた(625点)強打が自慢だった。チームカラーを反映してか、WARでも打者が優位になっている。この数値は「勝利寄与度」とも呼ばれ、「同じポジションの代替可能な選手が出場した時と比べて、いくつの勝ち星を上積みしたか」を表している。
チーム内1位は主砲・村上宗隆内野手で「6.8」だ。セ・リーグでは鈴木誠也外野手(広島)が「8.7」という圧倒的な値を叩き出しており、村上の数値はセ野手では2位にランクされる。4年目にして初の本塁打キングとなる39発、さらに112打点は2位、106四球はリーグ最多。攻撃面での貢献は圧倒的だ。
山田哲人内野手は僅差の2位で「6.1」。こちらも34本塁打、101打点を残した。守備での貢献度がマイナスと評価される村上に対し、二塁守備でもプラスの数値を叩き出している。打って守ってと総合的な働きが評価されての数字と言えそうだ。
ヤクルトではこの2人のWARが抜けており、チーム内3位は奥川恭伸投手の「3.8」となる。しっかり感覚を空けてながらの先発起用にしっかり結果で応え、2年目ながら9勝(4敗)を挙げた。規定投球回数に達しなかったものの、セ投手部門で見れば1位の柳裕也投手(中日)の「4.6」に次ぐ2位にランクされる。
4位は「1番・中堅」が定位置だった塩見泰隆外野手の「3.5」。チームトップの21盗塁をマークしたように脚力にも優れ、ベースランニングでの貢献もチームトップと評価される。ただ外野守備でのプラスはわずかにとどまり、村上、山田とは離された数値となった。
5位には日本シリーズMVPの中村悠平捕手と、小川泰弘投手が「3.0」で並んだ。中村は守備ではチームトップのプラスを叩き出している。データからは村上が優勢とみられるが、投票の結果はどうなっているだろうか。
(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)
データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。