楽天入りの西川遥輝、復活の鍵は? データから紐解く球界屈指の“強み”と復調の可能性

「BABIP」が例年を大きく下回る.289と“運”もなかった

 また、指標の上では、今季は“運のなさ”もあった。インプレーの打球がヒットになった割合を示す指標である「BABIP」は.289だった。このBABIPは平均して3割前後に回帰するとされ、左打者で足の速い西川はこれよりも高い数値が出る傾向にある。過去のシーズンを見ると、西川の「BABIP」は.350前後となっており、今季の.289はかなり低い数字だった。例年に近い「BABIP」になれば、大きく打率、出塁率の上昇が見込める。

 現在、29歳の西川には、スピードの衰えを指摘する声もある。ただ、足の速さを評価する指標「スピードスコア」はほぼ例年と変わらない6.1を記録。球界全体で見ても、ヤクルトの塩見泰隆、西武の源田壮亮、阪神の中野拓夢、近本光司に続く5位に位置しており、まだまだ武器のスピードも健在と言える。

 となると、やはりネックとなるのが守備面と言えるだろう。今季の守備の貢献を測る指標「UZR」は-0.4と守備位置の平均を下回る。外野手の送球による貢献を示す指標「ARM」も-0.8と平均を下回る数値に。肩も含めた守備面は懸念されている通りに課題だと言える。

 ただ、今季、楽天で左翼を守った島内も「UZR」は-0.6で、西川を下回る。送球貢献の「ARM」は1.4と西川より上ながら、守備範囲の広さを示す指標「RngR」は-2.6と大きくマイナス。指標の上で言えば、西川と島内の守備の貢献は大きく変わらない。

 高い出塁率とスピードは健在で、打撃面での復調も見込めそうな西川。守備面を石井一久監督がどう考えるか、ではあるが、果たして新天地で輝きを取り戻すことはできるだろうか。

(Full-Count編集部)

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