「ホームランはゼロでもいい」 鷹・甲斐拓也が「城島道場」で目指す打撃大改造

ソフトバンク・甲斐拓也【写真:福谷佑介】
ソフトバンク・甲斐拓也【写真:福谷佑介】

城島アドバイザーが自ら名乗り「僕がやっていいですか?」

 東京五輪で侍ジャパンを金メダルに導き、球界を代表する捕手となったソフトバンクの甲斐拓也捕手。1日から始まった宮崎での春季キャンプでは大きな課題とされる打力の向上に力を注いでいる。「根本から考え直す必要がある」と言い、城島健司会長付き特別アドバイザーによる「城島道場」の全面サポートを受けて、課題克服を目指す。

 キャンプ2日目となったこの日。メイン球場のアイビースタジアムでの打撃練習で甲斐は城島アドバイザーの助言に耳を傾けた。ロングティー打撃では城島氏の見守る中でバットを振り、身振り手振りを交えた指導も受け、練習を終えた甲斐は「バッティングをゼロから教えてもらっています」と明かした。

 藤本博史監督、そして城島アドバイザーが求めるのは昨季リーグ最多の143個を喫した三振数の大幅な減少だ。藤本監督は「140の三振を半分にすること。そのためにはどうしたらいいか、ですよね」と語り、そこで一役買って出たのが城島アドバイザー。「『僕がやっていいですか?』という話だったので、是非やってくれ、と」と指揮官はその経緯を語る。

 城島アドバイザーが自ら名乗り出て開講した「城島道場」。「根本のところから、まず立ち姿から、ゼロから教えてもらっています」。甲斐といえば、ベースに覆いかぶさるかのように屈んだ打撃フォームが特徴だったが、これを“解体”。まず、体を起き上がらせる新たな打撃フォームに取り組むところから、指導はスタートしている。

「ホームラン10本打っても、2割1分じゃもったいない。城島からも2割7分打てるバッターだから、ホームランはゼロでもいいから、と。ホームランバッターじゃない人が打つと大振りになって崩すケースが多い。10人いたら10人違うのだから、そこに応じたバッティングをしたらどうか、と拓也に言ってくれたんですよ。拓也もやろうという気持ちになっているので、これはいい方向に向かうと思います」と藤本監督。昨季は12本塁打を放っているものの、一発の魅力が半減しても確実性をアップすべきだとした。

「数字を残して、出塁することができれば、チームの得点につながってくると思う。僕次第で点も変わってくると、それくらいの責任を持ってやらないといけないと思っています」と甲斐自身もやる気だ。キャリアハイの成績を誓う2022年シーズン。尊敬する城島アドバイザーとの二人三脚で、新しいバッティングの形を作っていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY