「引き分け増加」は2021年シーズンをどう変えた? 上位に直結する試合巧者ぶり
優勝チームはいずれも、引き分けが多い中で試合巧者ぶりを発揮
2011年と2020年のソフトバンクは引き分けの多さも含めて高い勝率を記録。2012年の日本ハムと2021年のオリックスは、勝利数こそほかの年の優勝チームより少なかったものの、引き分けによる勝率の維持を効果的に生かした。優勝チームはいずれも、引き分けをうまく結果に結び付けていたことが分かる。
2011年、2012年、2020年では、勝率.500近辺の争いとなったAクラス争いでも、引き分けの数が3位と4位の差に直結。勝率が高いチームのみならず、勝ち負けがほぼ同数のチームにとっても、勝ちでも負けでもないという、「引き分け」という結果が持つ価値は大きくなっていたといえる。
その3シーズンと比べても、2021年は非常に特異なシーズンに。勝てずとも引き分けに持ち込む試合運びを見せて上位に入ったチームが、今季以降もその時々のルールに応じて試合巧者ぶりを発揮するのか。2022年は延長12回までの実施に向けた調整が行われているが、新型コロナの影響で予断を許さない。状況に応じた変化も、ペナントレースを占う上では重要なファクターとなってくる。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)