燕・奥川が中10日で先発し続けた“本当の狙い” 負担軽減のためでない「新しい形」

ヤクルトOBで解説者の五十嵐亮太氏【写真:荒川祐史】
ヤクルトOBで解説者の五十嵐亮太氏【写真:荒川祐史】

中10日で投げ続けた2021年、そこに込められた本当の狙いとは

 監督の期待を確信するのには理由がある。それは昨季、奥川が中10日で先発し続けた、本当の狙いを知っているからだ。

「僕は当初、中10日で投げさせるのは肩肘を休ませるためだと思っていました。でも、違ったんです。聞いてみると、中10日のうち前半の5日は体力トレーニングに重点を置き、後半の5日で登板に向けてしっかり調整をしていた。つまり、年間を通して1軍のマウンドで投げながら、体力強化を並行してやっていたというわけです。高卒選手は2軍でしっかり体を鍛えて、1シーズン戦える体力とボリュームがついたら1軍に呼ぶケースがほとんど。それを1軍で投げながらやってしまった上に結果を出した。今までにない新しい形ですよね」

 もちろん、この“新しい形”は誰にも適用できるわけではない。「奥川の能力が高いからできたこと。ロッテの佐々木朗希であったり、限られた選手にしかできないこと」と五十嵐氏は補足する。

 奥川がシーズンを通じた体力強化に成功した様子は、終盤に見せた数々の好投を見れば明らかだ。さらに、シーズンが進むに連れて体重が減少する投手が多い中、奥川はおよそ6キロの増量に成功。オフ中のトレーニングも順調で「キャンプで体つきを見たら、かなりしっかりしていましたね。1軍で戦って技術や経験を伸ばしながら、フィジカル面でも上積みされていた。着実にいい方向に進んでいると思います」と太鼓判を押す。

 五十嵐氏によれば、奥川自身は昨季前半は「納得のいくパフォーマンスができていなかった、と言っていました」。確かに4月中は打ち込まれる場面が多かったが、5月になると力強い投球が増え、交流戦以降は安定感さえ漂った。

「ある日フォームがしっくりきた時に、自分の中で掴んだモノがあったそうです。そこから先は、ある程度は試合を作れる自信がついたと話していました。ピッチングフォームをどう改善するべきか。そのポイントを見つけるのがすごく上手いし、見つけて対応する能力も高い。そして、自分が成長するために常に謙虚な姿勢を持っています。どれだけすごい才能を持っていても、自分を見失うことはないだろうという人間性を感じますね」

五十嵐氏も期待「今季の最低ラインは10勝」

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY