今季初実戦で156キロを投げても… 鷹・千賀滉大の表情が冴えなかったワケ

柳田悠岐との対戦は四球に終わり、悔しげな表情を浮かべるソフトバンク・千賀滉大【写真:荒川祐史】
柳田悠岐との対戦は四球に終わり、悔しげな表情を浮かべるソフトバンク・千賀滉大【写真:荒川祐史】

2回を投げて1安打無失点も「やりたいことが出来なかった」

 ソフトバンクの千賀滉大投手が20日、キャンプで初めて実戦に登板した。紅白戦で白組の先発としてマウンドに上がり、2回を1安打無失点2奪三振。最速は156キロ(球場のスピードガン表示は159キロ)をマークしたものの、自身は「自分のやりたいことと、打者を立たせてもう1個力を入れて、というところのズレがあった」と不満顔だった。

 千賀は初回、三森を左飛に打ち取ると、佐藤直、栗原を連続三振。2回は柳田に四球を与え、中村晃には右前安打を許したものの、甲斐を左飛、明石を遊ゴロ併殺打に打ち取った。初の実戦登板としては上々のように見えたが、降板後はブルペンにこもり、1時間超に渡って投球練習などでフォームを確認していた。

 これまでブルペンでの投球練習で、入念にフォームを作り上げてきた千賀。ただ、実戦形式のマウンドに上がり、さらに1段階、出力を上げてみると、思い描く投球フォーム、ボールの軌道とはズレが生じており「今日はやりたいことができなかった。できなかったことが分かったのは良かった」と話していた。

 チームメートの柳田との対戦も四球に終わり「柳田さんというより、やりたいことが出来ずにもったいなかった。なかなか戦える人じゃないので、もったいないな、と」と肩を落とした千賀。新たに持ち球に加えようとしているシンカーを試投したが、これについても「フォークを使ってないのでまだ分からないですね」と話すにとどめた。

 12球団最速で今季の開幕投手に決まっている千賀。目指すところが高いからこそ、自身の出来にも厳しい。「1日1日、強い気持ちで過ごそうとしている。早めに言ってもらえて、責任がある」。3月25日の開幕に向けて、一歩一歩、思い描く姿に近づけていく。

(福谷佑介 / Yusuke Fukutani)

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