ブレーク兆しの若手が“開幕した途端サッパリ”を防ぐには? 専門家が指摘する練習量

「キャンプで蓄えた体力の“貯金”はGW明けには尽きる」

 練習試合やオープン戦では、好調の若手に対して相手投手が甘いコースや得意の球種で“エサ”をまき、開幕した途端ガラリと攻め方を変えるケースがある。投手にしても、相手からすぐに研究される。開幕後に調子を落とす若手が多い理由は他にもある。

 現役時代にヤクルト、日本ハム、阪神、横浜(現DeNA)で計21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は「開幕1軍や開幕スタメンを達成した時点で、達成感や安堵感で心構えが変わってしまう選手が結構多い。それも人情ですが、あくまでプロの勝負はそこからです」と警鐘を鳴らす。

 また、「私の経験から言って、キャンプで蓄えた体力の“貯金”は長く見積もっても、ゴールデンウイーク明けには尽きる。新人や若手はそこからがきつくなる」と指摘。「開幕後も試合出場と並行してトレーニングを継続することが大事になります。特に梅雨の時期は試合が中止になることも多いので、たとえ雨の中でも、体が濡れない服装をした上で走り込みを行うといいと思います」と提言する。

「公式戦ではもちろん結果が第一ですが、どれだけバランスを取って練習量を確保するかが、トータルでポイントになると思う」と強調する野口氏。練習試合、オープン戦を突き抜け、開幕後も大きな爪痕を残すような若手が、今年は何人現れるだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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