「簡単なポジションではない」“便利屋”志願するDeNA砂田 進化見せた投球の幅
広島との練習試合に登板、わずか8球で3者凡退に封じた
DeNAの砂田毅樹投手が22日に行われた広島との練習試合に8回から4番手で登板。わずか8球で3者凡退に封じた。ワンポイントでも、ビハインドでも……。自ら“便利屋”を志願する左腕は、どんな場面でもマウンドに上がる。
最初の打者となった4番・末包昇大に対し、シンカーを内角に投じて空振りを奪った。右打者への配球の幅を広がるために行っている新たな挑戦。「自分は右打者の代打と対戦することが多々ある。引き出しを増やす部分では収穫だった」とうなずいた。
しかし昨季は対右打者の被打率.178、左打者は.184で「右より左の方が意識します。昨年も打たれている」という。その左打者対策は、韮澤雄也との対戦で実践した。1ボールからの2球目のカットボールが内角に決まり見逃し。「スライダーともう1つ、対になるというか近い、惑わすボールが欲しいと思っていた」と昨年から投げ始めたカットボールを内角に使うことで、選択肢は広がる。
同じセ・リーグのチームに隠すことなく、これまで使っていない配球を試すことをテーマにマウンドに上がった。「相手にこういうのをあるよとデータを出すことで、それを頭に入れてくれれば幅も広がる。逆に今はどんどん出していって、相手に情報を与えて困惑させようかなと思う」と自信をのぞかせた。
昨季は58試合登板とフル回転し復活を遂げた。元々、2017年には62試合、2018年には70試合に投げた経験があるが、その後は16、17試合と低迷。だからこそ、1軍のマウンドで純粋に打者と対峙する喜びを強く感じている。セットアッパーやクローザーと言わず、自ら“便利屋”を志願する理由だ。
「自分はどっちかというと勝ちパターンよりそういうところでチームに貢献したい。みんながみんな、できるポジションではないし、簡単なポジションではないと感じているし、自分もそういうところが好きなので」
試合数の目標には「多いイコール、チームのピンチが多いということなので……」と戸惑いながら「ピンチで投げるというのは極力控えることで、よりチームの勝ちにつながるのかな。でもそういうピンチのところがきたらしっかり意識していく」と口元を結んだ。
三浦監督も「両サイドの出し入れ、直球だけでなく変化球での出し入れを実戦でやってましたし、今日もできていたなと思います。1イニングも任せられるし、ランナーが溜まっているところのワンポイントでも、とは考えています」と信頼を寄せる。チームにとって欠かせない存在となった砂田が、今季も“便利屋”を全うする。
(町田利衣 / Rie Machida)