各球団の正捕手争いに異状あり ロッテ18歳らに専門家仰天「開幕スタメン分からんぞ」
炭谷銀仁朗以来16年ぶりの「高卒新人捕手が開幕スタメン」に可能性
各球団の正捕手争いに“異状あり”だ。ロッテのドラフト1位ルーキーで、18歳の松川虎生捕手に、2006年の西武・炭谷銀仁朗(現楽天)以来16年ぶりとなる高卒新人捕手の開幕スタメンの可能性が取りざたされるなど、今年は例年になく新人捕手が練習試合で存在感を示し、競争を活性化させている。現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏が、沖縄、宮崎で練習試合を取材した上で分析した。
「まず、あのサイズ感にびっくりした。実際(身長178センチ、体重98キロ)よりも大きく見える」と野口氏が思わずため息をついたのが、松川の高卒新人とは思えない貫録である。
15日の楽天との練習試合で、6回に代打で登場し中前打を放つと、そのままマスクをかぶった。17日の巨人戦からは4試合連続スタメンで起用され、5番に座った22日のオリックス戦では4打数2安打1打点。24日現在、実戦5試合で14打数6安打、打率.429の猛打を振るっている。捕手としての立ち居振る舞いも立派なものだ。
野口氏は「捕手のリードは“経験を重ねてナンボ”ですから、高卒新人捕手の起用はチームにとって自ずと痛みを伴う。しかしロッテの首脳陣は、松川にはそこを我慢する価値があると踏んでいる節がある」と見ている。「打撃にアドバンテージがある。シーズンでも加藤(匠馬捕手)と半々くらいで起用される可能性があると思う」と予測する。
楽天のドラフト2位、安田悠馬捕手も主に打撃で目立っている。新入団会見で楽天のチームカラーにちなみ「“エンジゴジラ”と呼んでほしい」と訴えた左の長距離砲は17日のヤクルト戦、バックスクリーン左へ対外試合初本塁打を放った。守っても再三強肩を披露している。
野口氏は「安田が打つとは聞いていたが、正直言って、そうは言っても開幕スタメンマスクは炭谷か太田だろうと高をくくっていた。しかし、実際に見て驚きました。肩が強いし、そこそこ守れている。キャラが立っているのもいい。こりゃ(開幕スタメンは)わからんぞ、と思い始めましたよ」と評価を改めた。