各球団の正捕手争いに異状あり ロッテ18歳らに専門家仰天「開幕スタメン分からんぞ」

安田は「キャラが立っているし、打撃には本当に目を見張る」

 特に野口氏が感心したのが、19日の阪神戦での安田の打撃だった。「4番・捕手」でスタメン出場し、1回に相手先発の秋山に対してカウント1-2と追い込まれながら、外角低めのフォークをとらえ中前へ先制適時打。3回には2番手の藤浪に対し、カウント0-2から中前へクリーンヒットを放った。「パワーはもちろん、阪神の主力級に対し不利なカウントを跳ね返した対応力が素晴らしい。打撃に関しては本当に目を見張るものがある」と称賛した。

 アマチュア時代の評価が高かったのは、中大からドラフト3位で西武入りした古賀悠斗捕手だ。キャンプもA班(1軍)で過ごしたが、今年初の対外試合となった22日のソフトバンク戦では、6回からマスクをかぶり、相手のドラフト4位ルーキーの野村勇に二盗、三盗を立て続けに許した。二盗の際には体勢が崩れ、送球がワンバウンドになったが「もともと地肩は強く、打撃も悪くないと聞いている」と野口氏は期待している。

 オリックスのドラフト3位、福永奨捕手についても、野口氏は「スローイングが良いという印象がある」と語る。途中出場した24日の西武戦では、1点を追う9回2死一、三塁で左前に落ちる同点二塁打を放ち、打撃でも粘り強さを見せた。また、新人ではないが、高卒3年目で20歳の巨人・山瀬慎之助捕手も強肩をアピール。大城、小林、岸がひしめく正捕手争いに割って入る構えだ。

 野口氏はプロ経験の浅い、若い捕手たちへ「オープン戦では失敗を悔やむ必要はない。むしろ、どんどん失敗して、反省材料を次へつなげていけばいい」とエールを送る。そして「毎日、なぜ打たれたのか、逆になぜ抑えることができたのか、あのサインに投手が首を振ったのはなぜだったのか……と1つ1つ考え抜いて、糧にしてほしい」と話す。

「正捕手1人をつくるのには何年もかかる」と言われるが、今年は“定説”を覆すキャッチャーが続出することになるのだろうか。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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