「おい、20ドルやるよ!」ファンの野次がきっかけ、最も“遅い”ストライク誕生秘話

レンジャーズのブロック・ホルト【写真:Getty Images】
レンジャーズのブロック・ホルト【写真:Getty Images】

敵地ファンから“挑発”を受けたホルト、約50キロの山なりボールで好投

 2021年のメジャーリーグでは“史上最も遅い”ストライクが誕生して話題となった。米メディア「NBCスポーツ」は、野手ながらこの1球を投じたブロック・ホルト内野手が、ポッドキャスト番組「Bradfo Sho」で語った“秘話”を特集している。

 8月7日(日本時間8日)に行われたレンジャーズ-アスレチックスの一戦。ホルトが所属していたレンジャーズは、8回表を終えた時点で大量9点のリードを許していた。メジャーリーグではこのような時、投手の消耗を避けるために野手をマウンドに上げることがある。ホルトが登板に備え投球練習を行っていたところ、敵地のファンが大声で「おいブロック、その球を試合で投げたら20ドルやるよ!」と茶化してきたという。

「よし! 終わったらダグアウトの近くで待ってろよ」と返したというホルトは、実際にマウンドから“その球”を投じた。山なりボールだけで1イニングを無失点に抑え、31.1マイル(約50キロ)の一球は「2008年以降では最も遅いストライク」と判定されたと、MLB公式サイトでも紹介されている。ここまで遅いにもかかわらず、ルール通りに粘着物質の検査を受けるオチまでつき、すぐにSNSでも話題になった。

 しかし試合後に、20ドルで煽って来た男は現れなかった。「だから今でも待っているんだ」と笑うが、ボールには“メジャー史上最も遅かった投球”と自らサインして大切に保管していると明かす。メジャー歴10年、レッドソックス時代の2018年には、ポストシーズン史上初のサイクル安打まで記録した実力者にとっても印象に残る出来事だったに違いない。

(Full-Count編集部)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY