菊池雄星が克服すべき「明確な課題」 米データサイトが指摘した“1.3cm”の違い
速球系と変化球系で明確に異なったリリースポイント
3年3600万ドル(約42億円)の契約でブルージェイズに移籍した菊池雄星投手。豪華投手陣に加わり、先発5番手としての起用を予想する声が多い。メジャーでの3年間で15勝24敗、防御率4.97の左腕は、新天地で輝きを放つことができるのか? 米データサイト「ファングラフス」は、様々なデータを駆使して菊池を分析。高いポテンシャルを評価しつつ、改善を必要とする「課題」を浮き彫りにした。
「ブルージェイズが、ユウセイ・キクチ獲得でローテの後ろにポテンシャルを加えた」と題した記事で同サイトが注目したのは、昨シーズンの「リリースポイントのばらつき」だ。躍動感溢れるフォームが再現性の維持を難しくしていると指摘しつつ、球種ごとのリリースポイントを図示。速球系(フォーシーム、カッター)と変化球系(チェンジアップ、スライダー)でリリースポイントが異なることを明らかにした。
フォームのばらつきはシーズン途中から大きくなったようで、後半戦の間に速球系のリリースポイントが0.5インチ(約1.3センチ)下がっていたという。打者が球種を見分けやすくなるだけでなく、回転数が低下するという悪影響もあったと見られる。オールスターにも選ばれる活躍だった前半戦から失速した原因の1つと言えそうだ。
菊池の主な持ち球4球種のうち、カッターを除くフォーシーム、スライダー、チェンジアップの3球種は「素晴らしい空振り率を持っている」と、ポテンシャルは高く評価。しかし、同時に「当たれば痛打される」率も高いという。その原因も「フォームのばらつき」と、それに伴う「細かな制球の乱れ」にあると指摘。「まずはフォームをなんとかしなければ、あらゆる調整はあまり意味をなさないだろう」と断言した。
厳しくも思える指摘は、ポテンシャルに対する期待の大きさの裏返し。「仮に今年も不安定なシーズンで苦戦しようとも、彼の球質があれば、これからの3年間ローテの後ろを任される投手として堅実な貢献を、あるいはそれ以上のものをもたらす可能性があるだろう」と同サイトは見る。課題を克服し、新天地でシーズン通した活躍ができるか、注目が集まる。
(Full-Count編集部)