鈴木誠也がカブスに“ハマる”理由 転換期の最中…大砲に陰り見え「緊急に必要」

カブスに入団した鈴木誠也【写真:盆子原浩二】
カブスに入団した鈴木誠也【写真:盆子原浩二】

昨季の右翼手・ヘイワードは近年成績が下降の一途

 カブスと5年契約を結んだ鈴木誠也外野手は18日(日本時間19日)、アリゾナ州メサの球団施設で入団会見を行った。5年8500万ドル(約101億2000万円)の大型契約で、背番号は「27」。日本プロ野球を代表する右のスラッガーは、メジャーリーグでどれほどの成績を残せるだろうか。一方で鈴木を巨額を投じて獲得したカブスにも勝算がある。米国の各メディアが「カブスにセイヤがはまる理由」を紹介している。

 MLB公式サイトは、鈴木とカブスの合意を伝える記事で「スズキの補強は、チームのアプローチにフィットする。即戦力としても、今後次々に有望株らが昇格した後も、打線にインパクトを与える可能性がある選手だからだ」と紹介している。

 2016年に世界一に輝いたカブスは近年、チームの転換期に差し掛かっていた。2020年のオフからダルビッシュ有、アンソニー・リゾ、ハビアー・バエス、クレイグ・キンブレルらをトレードに出し、若手有望株を獲得してきた。記事は「ホイヤー球団編成本部長は『今戦えるチームを作るために選手を動かすが、この16か月の路線との一貫性も保つ』としていた」と、鈴木の獲得もこの路線上にあるとしている。若手が予定通りメジャーで戦力になって来た時に、チームの中心に座っているのが鈴木になるというのだ。

 当面の起用法について、昨季は主にジェイソン・ヘイワードが守っていた右翼を予想するメディアが多い。「スポーティング・ニューズ」も「スズキはユーティリティで、外野、三塁、遊撃を守れる。この2年間は右翼を守っており、カブスではジェイソン・ヘイワードに代わる存在となるだろう」と予測する。「強肩で、運動能力が高く守備範囲も広い。開幕からライトの守備で大いに貢献してくれるだろう」と守備面でも高く評価している。

 さらに打撃について、昨季は38本塁打に対して三振率が17%だったことを紹介し「非常にバランスの取れたバッティングで、楽に長打を打っている印象。メジャー入り直後は数字が落ちるだろうが、ストライクゾーンをつかむ感覚に優れている上にバランスの取れたバッターなので、スムーズにメジャーに移行できるだろう」とした。

 ヘイワードは2010年から6年連続で2桁本塁打していたものの、カブス入りした2016年以降は6年間で2回にとどまっている。104試合に出場した昨季も、打率.215に終わった。「スポーティング・ニューズ」は鈴木について「近年数字が下降の一途を辿っていたヘイワードの後を継ぐ、カブスが緊急に必要としていたパワーヒッターだ。まだ27歳で先は長く、メジャーへの移行がスムーズにいけば、すぐにでもカブスにインパクトを与えるはずだ」と打力に期待。

 この日はアリゾナ州メサで入団会見を行った。「スズキは今後のチームの大きな計画にはまる可能性がある」。鈴木の獲得は、カブスにとって“再建”の終わりを告げるのかもしれない。

(Full-Count編集部)

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