「米国で見ているよ」イチロー氏の“視線”を力に変えた 国学院久我山の選抜初勝利

昨秋、国学院久我山の選手を指導したイチローさん【写真:代表撮影】
昨秋、国学院久我山の選手を指導したイチローさん【写真:代表撮影】

3時間半遅れの開始もブレず…尾崎監督「次も選手が躍動する姿を」

 第94回選抜高校野球大会は22日、阪神甲子園球場で行われ、大会4日目・第1試合は国学院久我山が4-2で有田工を下し、4度目の挑戦で選抜初勝利を飾った。昨秋、イチロー氏(マリナーズ球団会長付特別補佐兼インストラクター)から直接指導を受け話題になったが、尾崎直輝監督は「次も選手が躍動する姿をお見せします」とメッセージを送った。

 雨のため3時間半遅れの試合も“イチローの教え”を実行し勝利を手にした。初回に5番・大野良太(3年)の左前適時打で先制すると、3回にはエース・成田陸(3年)が三塁へ適時内野安打を放ちリードを広げた。投げても成田が2失点完投と投打で活躍した。

 尾崎監督は昨年、イチロー氏から「人のペースに乗るんじゃなく、自分のペースで運んでいくことが大事」とアドバイスを受けていた。この日の試合は天気に左右され、開始も遅れたが「この状況、この天候ですが自分たちがやるべきことは何なんだと。私も頭を整理して生徒には言葉を伝えた」と、自分たちの野球を見失うことはなかった。

 イチロー氏から譲り受けたバットはチームの“家宝”となっている。甲子園に持ち込んだかは「そこに関してはセキュリティあるのでお答えできない」と言葉を濁したが「イチローさんの思いは甲子園の舞台に持ってきた」と共に戦ったことを明かした。

 4度目の挑戦で選抜初勝利、学校の歴史を変える1勝を手にした国学院久我山。イチロー氏のマネジャーを通じ大会前には「アメリカで見ているよ」とエールを送られていた。レジェンドに勝利を届けた指揮官は「ようやく春の選抜で1勝できました。次も選手が躍動する姿をお見せします」と、次戦も勝利を誓った。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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