OP戦の首位打者、ロッテ高部は活躍できるか 2011年以降の打率1位選手の成績は?
2015年の秋山翔吾はOP戦から年間通して大活躍
オープン戦首位打者はシーズンでは苦戦する傾向にあったが、直近2年間は風向きが変わりつつある。2020年の阪神・大山悠輔内野手は120試合の短縮シーズンながら28本塁打、OPS.918をマーク。2021年の楽天・島内宏明外野手も自己最多の21本塁打、自身初となる打点王のタイトルを手にしている。
オープン戦は試合数が少ないこともあり、首位打者の打率は高くなる傾向にある。2011年以降のオープン戦首位打者でシーズン打率3割以上をマークしたのは2015年の秋山だけだ。この年の秋山は年間を通じて好調を維持し、NPB史上最多記録となる年間216安打を記録している。
この年の秋山は出塁率.419、OPS.941を記録。プロ1年目から4年連続100試合以上出場も、2014年までは打率3割に到達したことがなかったことを考えれば、長足の進歩を遂げたシーズンと言える。この活躍で一躍その名をとどろかせた秋山は2017年に自身初の首位打者に輝く。2017年から2019年まで3年連続で最多安打を手にし、球界屈指の安打製造機として活躍を続けた。
浅村はプロ入り後の2年間で計30試合出場にとどまっていたが、2011年にオープン戦で活躍したことをきっかけとにレギュラーに。同年のシーズン打率は.268だったものの、この年は統一球導入の影響で球界全体の打撃成績が低下していた。浅村はその後も継続的に出場機会を確保し、2013年には平成生まれで初となる打点王を獲得した。2011年の浅村は、オープン戦首位打者の獲得をブレークにつなげた好例といえる。
以上のように、オープン戦で首位打者に輝いた選手が、同年に活躍を見せるケースは決して多くはなかった。しかし、大山と島内の成績を考えれば、以前とは傾向が変わってきたという見方もできる。この流れが継続するかどうかは今季の高部の活躍にかかってくることだろう。今季中に本格的なブレークを果たせなかったとしても、松山竜平外野手や井上晴哉内野手のように翌年以降に主力打者へと成長していく可能性もある。今回のオープン戦首位打者獲得が大きな飛躍の触媒となるか。高部の今後の活躍に要注目だ。
(「パ・リーグ インサイト」望月遼太)
(記事提供:パ・リーグ インサイト)