延長タイブレークは犠打か強攻策、どっちが正解? “明暗”分かれた3試合の決断

先攻チームは勝ち越しても…1イニング抑える“重圧”との戦いが待っている

 2度目は21日の木更津総合-山梨学院戦。先攻の山梨学院は犠打を失敗し、1死一、二塁から二ゴロ併殺で無得点。その裏に木更津総合は先頭打者が左飛に倒れたがタッチアップで1死一、三塁となり申告敬遠で満塁。最後は押し出し四球で2-1でサヨナラ勝ちした。

 そして、この日は先攻の木更津総合が犠打で1死二、三塁とし3番・菊池の中前2点適時打で勝ち越した。だが、その裏に金光大阪は6番の先頭・岡治が空振り三振に倒れたが、併殺崩れと3四死球が絡み同点。最後は2死満塁から押し出し死球でサヨナラ勝ちとなった。

 先攻のチームはたとえ勝ち越しても、勝利が目の前にある状況で投手はあと1イニングを抑える“プレッシャー”との戦いが待っている。山梨学院の吉田監督は「選手に厳しい場面の采配がちょっと多くなった」と語り、木更津総合の五島監督もイニング途中から登板し押し出し四球を与えた金綱について「いつもはコントロールが悪い投手ではない」と、独特の緊張感でマウンドに上がる投手の難しさを口にしている。

 タイブレークは最低でも「2点は覚悟」。先攻のチームが勝ち越すと、後攻のチームは1点では勝てないため、強攻策でいくのがセオリーともいえる。タイブレークを経験した、ある監督は「犠打で簡単にアウトを貰える方が気持ち的にも楽になる。延長戦でも1点勝負ではないので、どれだけ点を取れるかが大事」とも話す。

 甲子園では2018年の選抜大会から導入されたタイブレーク。結果論と言えばそれまでだろうが、今後も各チームの指揮官が“決断”する作戦面に注目するのも、楽しみの一つになるかもしれない。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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