近江、代替出場から快進撃も初悲願ならず 前日170球の山田は自ら申し出て降板

近江・山田陽翔【写真:上野明洸】
近江・山田陽翔【写真:上野明洸】

18失点の大敗も…スタンドからは健闘を称える大拍手

 第94回選抜高校野球大会の決勝が31日、阪神甲子園球場で行われ、春夏通じて初優勝を狙った近江(滋賀)は1-18で大阪桐蔭に敗れた。滋賀県勢初の栄冠にはあと一歩及ばず。前日に死球を受けながら170球完投したエース山田陽翔(3年)はこの日も先発するも、3回途中4失点で自ら申し出てマウンドを降りた。

 猛打の大阪桐蔭打線の前に、序盤から苦しい展開を強いられた。山田は初回から2イニング連続で失点を許すと、3回無死一塁では松尾汐恩(3年)に2ランを被弾。大阪桐蔭にとっては大会タイ記録となるチーム8本塁打目だった。

 この直後、山田はベンチにタイムを要求。自らマウンドを退いた。前日の浦和学院との準決勝では5回の打席で左足に死球を受け、以降は足を引きずりながら延長11回を170球で完投。「左足関節外果部の打撲症」と診断されながらも5試合連続で先発したが、116球が限度だった球数制限に達する前にマウンドを降りた。

 近江は5回に相手失策に乗じて1点を返すも、中盤以降さらに追加点を許し、昨秋の明治神宮大会王者の前に力負け。結果的には大量失点となったが、スタンドからは健闘を称える大きな拍手が巻き起こった。

 大会開幕前にコロナ禍で辞退した京都国際に変わって出場。代替出場校として史上初の決勝進出を果たし、滋賀県勢として春夏通じて初となる全国優勝を目指したが、あと一歩及ばなかった。

(Full-Count編集部)

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