“首位打者”の大島より貢献度高い3年目ドラ1 実り始めた中日・立浪監督の「覚悟」
全22試合でスタメン出場、24日の巨人戦では4打点の躍動
今季から指揮を執る中日・立浪和義監督の“覚悟”が、シーズン序盤ながら実を結び始めている。3年目のドラフト1位・石川昂弥内野手を我慢して起用し続けることを決断。開幕直後こそ苦しんだが、徐々に結果が出始めているのは確か。データ上では、“首位打者”の大島洋平外野手よりわずかながら貢献度で上回っている。
長らく続く低迷期からの脱出に向け、立浪ドラゴンズの“一丁目一番地”とも言えるのが、若き大砲候補の覚醒。三塁のレギュラーを担ってきた高橋周平内野手を二塁にコンバートした上で当座の“居場所”を作った。ここまで全22試合でスタメン出場。主に7番など下位打線を担っている。
期待の20歳は、苦しみながらも徐々にポテンシャルを発揮し始めた。チームでは、トップタイの3本塁打をマークし、13打点は阿部寿樹内野手に次いで2位。まだ得点圏打率.190と物足りないが、今月24日の巨人戦(バンテリンドーム)では4打点の躍動。最大5点ビハインドをひっくり返す大逆転勝ちを導いた。
チームへの貢献度は、データ上でも明らか。セイバーメトリクスの観点で分析などを行う株式会社DELTAによると、打撃や走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を示す「WAR(Wins Above Replacement)」は、チームトップだった阿部の「1.0」に次ぐ「0.8」。最少コストで代替可能な選手に比べて、どれだけチームの勝利数を増やしたかを示す数値で、リーグトップの打率.362を誇る大島の「0.7」よりわずかにいい。
主砲のビシエドが打率.229を低迷し、高橋周平も故障で不在の中、目覚め始めた石川昂の存在は頼もしい。指揮官の覚悟を意気に感じ、プロ3年目でブレークを果たせるか――。チームの命運を握っているひとりだと言っても過言ではない。
(Full-Count編集部)