数字にも表れるパ・リーグの“異変” 過去にもあった極端な「投高打低」の傾向

ソフトバンク・東浜巨【写真:藤浦一都】
ソフトバンク・東浜巨【写真:藤浦一都】

今季のリーグ全体の防御率は3点台を切って2.92に

 11日に行われた西武戦でソフトバンクの東浜巨投手がノーヒット・ノーランを達成したことが象徴するように、2022年のパ・リーグは、いわゆる「投高打低」と呼ばれる状況になっている。2021年のパ・リーグ全体の防御率が3.48だったのに対して、今季のリーグ全体の防御率は2.92。また、2021年のリーグ打率.241に対して、今季のリーグ打率も.231と、数字にも明確にその傾向が表れている。

 ただし、パ・リーグにおいて投高打低の傾向が示されたシーズンは、今回が初めてというわけではない。近年では、統一球が導入されて間もない2011年と2012年はNPB全体で極端な投高打低の状況が続いていた。

 今回は、その2011年と2012年における、パ・リーグの各種個人成績を紹介。「防御率」「打率」「本塁打数」の3部門におけるトップ10のランキングをもとに、当時の状況をあらためて振り返っていきたい。

 まずは、2011年と2012年の防御率ランキングを見ていこう。

 防御率1点台の投手は多くは生まれないものだが、2011年は4人、2012年は3人と、この2年間だけで7人がその領域に到達。また、防御率トップ10が全員防御率2点台以下という状況が、2シーズン続いていたことも特異な点だ。ちなみに、この前後の年で規定投球回に到達して防御率2点台以下だった投手の数は2010年が4人、2013年が3人だった。

2011年と2012年は防御率トップ10に入った投手の多くが10勝以上をマーク

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