騒動が続く「審判の判定」 元捕手が語る“本音と注文”「一貫性ないのは困る」
「審判を敵に回して、いいことはひとつもない」
プロ野球では、「審判」に注目が集まるケースが続いている。14日にはロッテ・井口資仁監督が球審の判定に抗議し、侮辱的発言を行ったとして退場。翌15日にも同じロッテのブランドン・レアード内野手が球審へ暴言を吐き、チームで2日連続の退場となった。さらに、佐々木朗希投手と審判との“騒動”が物議を醸したケースも。こんな時だからこそ、審判団に対する“本音”を元捕手に聞いてみた――。
14日のオリックス戦で、ロッテはわずか1点ビハインドの9回2死一、二塁のチャンスでエチェバリアがカウント3-2から見逃し三振に倒れてゲームセット。井口監督はラストボールの判定について福家英登球審に猛抗議し、試合終了後ながら退場処分を科せられた。翌15日の同カードでレアードが見送り三振した際に暴言を吐いた相手は、白井一行審判員だった。
現役時代にヤクルト、日本ハムなど4球団で21年間捕手として活躍した野球評論家・野口寿浩氏は、大前提として「審判には監督、コーチ、選手を退場にする権限が認められていますが、逆は一切ありません。特にストライク、ボールの判定はリクエストの対象外であり、文句を言っても始まらないのは明白です」と強調する。
確かに、実際の試合ではスルーされることも多いが、野球規則では、審判の判定に異議を唱えることは許されていない。特にストライクやボールの判定に対しては、監督がベンチから本塁方向へ歩み出した時点で警告。警告に関わらず球審に近づけば退場になると明記されている。
野口氏は「審判を敵に回して、いいことはひとつもありません。審判も人間ですから、当該審判はもちろん、別のクルーの審判から“判定に文句をつけることが多いチーム”とマイナスのイメージを持たれることも、百害あって一利なしです」と話す。