佐々木朗希は「江川を超える可能性」 両怪物と“対戦”したMVP捕手が徹底比較

ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】
ロッテ・佐々木朗希【写真:荒川祐史】

中尾孝義氏は岩手・専大北上高の監督として佐々木朗希と対戦

“令和の怪物”の異名を取るロッテ・佐々木朗希投手に対し、“昭和の怪物”と呼ばれたのは元巨人の江川卓氏。この両怪物と対戦した経験を持つ野球人がいる。中日、巨人、西武で名捕手として鳴らし、中日時代の1982年にはMVPを受賞した野球評論家・中尾孝義氏だ。現役時代に江川氏と数々の名勝負を繰り広げ、さらに岩手・専大北上高の監督として岩手・大船渡高時代の佐々木朗を攻略した。その中尾氏が両投手を比較する。

 佐々木朗は4月10日のオリックス戦で完全試合を達成し、続く17日の日本ハム戦でも8回パーフェクト。5月18日現在でリーグ断トツの78奪三振をマークし、4勝でハーラートップに並んでいる。ストレートは球速160キロ台を当たり前のように連発し、フォークは140キロ台後半。中尾氏は「高校時代のボールと現在とでは全然違いますよ」と成長ぶりに驚いている。

 中尾氏は佐々木朗が高校2年だった2018年秋、岩手大会の3位決定戦で対戦した。その前日には、盛岡大付高が佐々木朗から10安打7得点した準決勝を観戦していた。球速は当時でも150キロを超えていたが、「盛岡大付は何とも思わずカンカン打っていました。厳しいコースに来ても、空振りはせずファウルにできるくらいでした」と振り返る。自身が率いた一戦では、リードを許していた終盤に佐々木朗がリリーフで登場。鮮やかに攻略し、逆転で制している。“令和の怪物”は翌年の選抜高校野球につながるこの大会で敗退。3年間で1度も甲子園の土を踏むことなく終わった。

「高校時代の朗希もいい投手でしたが、江川のように真っすぐとわかっていて空振りさせられる球質ではありませんでした。スピードガンで測れば朗希の方が断然速いけれど、打者の体感というか、ボールの伸び具合という点では江川の真っすぐの方が凄かったと思います」と高校生時点では“昭和の怪物”に軍配を上げた。

「高校時代の朗希の体力とボールではプロで通用しなかった」

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