驚異のOPS1.100&長打率.720、復活遂げた左腕 セイバー指標で選ぶ5月のセ月間MVP

DeNA・牧秀悟(左)と今永昇太【写真:荒川祐史】
DeNA・牧秀悟(左)と今永昇太【写真:荒川祐史】

5月のセ・リーグ首位・ヤクルトは月間OPS.709、救援防御率1.76をマークした

 昨年の覇者、ヤクルトが快進撃を見せた5月のセ・リーグ「月間MVP」を、セイバーメトリクスの指標で選出してみる。選出基準は打者の場合、得点圏打率や猛打賞回数なども加味されるが、基本はNPB公式記録が用いられる。ただ、打点や勝利数といった公式記録は、セイバーメトリクスでは個人の能力を如実に反映する指標と扱わない。そのため、セイバーメトリクス的にどれだけ個人の選手がチームに貢献したかを示す指標で選べば、公式に発表されるMVPとは異なる選手が選ばれることもある。

 まずは、5月のセ・リーグ6球団の月間成績を振り返る。

ヤクルト:16勝7敗1分、打率.246、OPS.709、本塁打25、先発防御率2.54、QS率45.8%、救援防御率1.76

DeNA:11勝11敗、打率.253、OPS.698、本塁打17、先発防御率4.28、QS率40.9%、救援防御率3.40

広島:11勝12敗1分、打率.256、OPS.670、本塁打14、先発防御率3.68、QS率62.5%、救援防御率2.78

阪神:11勝13敗、打率.216、OPS.588、本塁打15、先発防御率1.71、QS率79.2%、救援防御率2.03

巨人:11勝14敗、打率.228、OPS.643、本塁打21、先発防御率4.02、QS率52.0%、救援防御率3.22

中日:11勝14敗、打率.239、OPS.636、本塁打15、先発防御率3.92、QS率40.0%、救援防御率3.98

 ヤクルトは月間OPSリーグ1位、月間防御率リーグ2位とバランスのとれた戦力で、今月だけで9つの貯金を稼いだ。救援防御率1.76とリリーフ陣が安定、先制した12試合中、11試合で勝利した。初回得点確率が41.7%で、打撃陣も投手陣を援護した。

 4月絶不調だった阪神は5月、投手陣の安定が際立った。24試合中22試合が3失点以下でQS率79.2%、先発防御率も1点台と先発投手陣の頑張りが目立った。しかし、援護率が2.89と打線の援護に恵まれなかった。

 3、4月の中日は「ミラクル8」と呼ばれるほどの8回の得点が多かったが、5月の得点確率は28.0%と少しばかり減少した。その代わり6回の得点確率が44.0%と新たな“特異イニング”となっている、

 5月の月間MVPは6月9日に発表される予定だが、ここでは、セイバーメトリクスの指標による月間MVP選出を試みる。

DeNA・牧秀悟は全試合4番で出場、OPS1.100、長打率.720を記録した

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