パ・リーグは「大混戦になる可能性がある」 専門家が挙げる各球団の“キーマン”は?

オリは吉田正が「どれだけフルに近い形で出られるか」

 西武は昨季まで4年連続リーグワーストのチーム防御率が、現時点でトップの2.51。好調のリリーフ陣に加え、新外国人のエンス、ルーキーの隅田&佐藤、成長著しいサブマリンの與座らが先発ローテを盛り上げている。一方、“山賊打線”はチーム本塁打こそリーグ2位の48発だが、チーム打率はリーグ5位の.227にとどまっている。「チームカラーが変わりつつあると感じますが、今季さらに上を目指すなら、打線の爆発が必要でしょう」と野口氏は話す。

 昨季覇者のオリックスは、3位の西武に1ゲーム差の4位。打線の軸の吉田正尚外野手は、5月に左太ももを痛めて戦線離脱し、6月3日に1軍復帰した後も、ベンチを温めるケースが多い。「リーグ戦再開後、吉田正がどれだけフルに近い形で試合に出られるかが鍵。優勝争いに絡んでくる可能性もある」と野口氏。ベンチを温めることが増えているのは、昨季ショートのレギュラーを獲得しながら、今季は打率.162と不振にあえいでいる紅林弘太郎内野手も同じだ。「紅林は昨季、決して打率は高くなかったけれど(.228)、試合の流れを引き寄せる印象的な一打が多かった。彼が活躍すれば、チームのムードが盛り上がってくると思います」とキーマンの1人に挙げた。

 5位のロッテは交流戦10勝8敗でパ・リーグ球団最高の3位に入り、上位との差を詰めてきた。とはいえ、レオネス・マーティン外野手は打率.178、ブランドン・レアード内野手は.220と打線の軸を担う両外国人にいまだ当たりが出ていない。「突き詰めれば良くも悪くも、この2人次第のチームです。この2人が打ち出せば、当然上位進出も見えてくる」と野口氏は見ている。

 ビッグボスこと新庄剛志監督率いる日本ハムはどうか。若手選手の台頭が著しいが、野口氏は「監督が“優勝は目指さない”と明言しているチームが優勝できるほど、プロ野球は甘くない」と語る。

“キーマン”の働き次第で何位で終わってもおかしくないチームが多いパ・リーグ。果たして大混戦になっていくのか、注目の戦いが始まる。

(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)

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