本当に秋山翔吾が必要な球団は? データで顕著…外野の“打撃力&守備力”の弱点

パドレス傘下3Aエルパソを退団した秋山翔吾【写真:荒川祐史】
パドレス傘下3Aエルパソを退団した秋山翔吾【写真:荒川祐史】

古巣の西武は中堅の攻撃力に弱点…wRAAは「-5.1」

 パドレス傘下3Aエルパソを自由契約となった秋山翔吾外野手の去就に注目が集まっている。NPB球団にとっては、走攻守揃った一流の外野手が加わる千載一遇のチャンス。では一体、現時点で“本当に必要”な球団はどこか――。外野手の攻撃力と守備力の“弱点”をデータで見てみたい。

 セイバーメトリクスの指標を用いて分析などを行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)のデータを活用し、まずは外野手の打撃面を比較。同じ打席数をリーグの平均的な打者が打つ場合に比べてどれだけチームの得点を増減させたかを示す「wRAA」を各ポジションごとに算出した(数値は19日時点)。

 秋山の守備位置として想定される「中堅」でみると、パ・リーグでは楽天が「8.1」でトップ。日本ハムが次いで「5.0」となっている。マイナス指標となったのは3球団。西武は「-5.1」、オリックスは「-5.7」だった。

 一方セ・リーグの中堅でみると、DeNAが「-9.2」でワースト。今季は桑原が打率.244と苦戦している。中日も「-5.8」と芳しくなく、「12.6」と圧倒的なヤクルトと「8.6」の巨人を除いた4球団がマイナスの結果となっている。

 秋山といえば、6度のゴールデングラブ賞を誇る守備力も大きな武器の一つ。投手にとっても、外野の安心感は格段に増す。総合的な守備指標「UZR」で中堅の数値をみると、12球団でマイナスとなっているのは4球団(23日時点)。DeNAが「-8.7」とワーストだ。さらにオリックスが「-5.2」、中日が「-4.6」、巨人が「-2.6」となっている。

 古巣の西武を含め、やはりセ・パともにBクラスに甘んじているチームが苦しい状況。好守で大きな戦力となる秋山は一体どこの球団が射止めるのか――。活躍次第では、ペナントレースの行方も大きく動かすかもしれない。

(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA http://deltagraphs.co.jp/
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』(https://1point02.jp/)も運営する。

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