大谷翔平をロッカー前で“座り込み出待ち” 通算222勝右腕の珍行動のワケは?

エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】
エンゼルス・大谷翔平【写真:ロイター】

自打球直撃で右太ももに青アザも…6戦連続2桁奪三振とエースの仕事

 27日(日本時間28日)のロイヤルズ本拠地・カウフマンスタジアム。通算222勝を誇る大エースは、エンゼルスのロッカールーム前に座り込んでいた。子どもたちと遊びながらも、エ軍クラブハウスから出てくる人物を鋭い視線で逐一チェック。誰かの出待ちをしているようだったが、その時は「?」だった。数時間後。38歳ベテランの待ち人がその家族のSNSを通じて分かった。大谷翔平だ。

 ロイヤルズ23番のユニホーム。背番号部分にはサインと共に「ショウヘイは最高だ! 君のプレーを見るのが大好きだ」と青字で記されている。確かにいつも嬉しそうに大谷についてコメントするが、日頃の立ち居振る舞いは超クール。「ショウヘイは最高だ!」なんて全く言わなそうなのに……。息子さんが二刀流の大ファンとのことだったが、お父さんからも底知れぬ“大谷愛”が伝わってくる。

 大谷が小学4年生だった2004年にメジャーデビュー。最優秀防御率のタイトルを2度獲得し、2009年にサイ・ヤング賞を受賞。ずっと第一線を走ってきた大ベテランを虜にしてしまう大谷とは……。6敗目を喫したこの日の試合から改めて分かった気がする。

 25日(同26日)に右太もも付近に自打球を当てて悶絶。患部にくっきりと青アザが残っていた。この日も痛みはあっただろう。それでも、先発ローテを飛ばすことなく6回8安打2失点と好投。11三振を奪って、6試合連続2桁奪三振とノーラン・ライアンが持つ球団記録の7試合連続に王手をかけた。ちなみに、6試合連続もライアンをはじめ、ペドロ・マルティネス、ランディ・ジョンソン、クリス・セール、ゲリット・コール、ジャスティン・バーランダーと伝説クラスの投手しかいない。

 さて、自打球の影響は? 「多少はやっぱりありますけど、そんなに大きく違いは。例えば背中が張っているとか全然あるので。その範囲内です」と答えは淡々としたものだった。しかし、打者として負った負傷を抱えながら投げる、しかも手負いの状況でエースの仕事を果たす。やはりやっていることが異次元だ。

 1番打者では3回1死二塁の得点機で二ゴロ。4打数無安打と結果を出せず、「あそこで打てるか打てないか。自分の責任」と猛省した。こんなことを言える投手も大谷しかいない。「104年ぶり2桁勝利&2桁本塁打」と軽々しく書いてしまうが、先に書いた大ベテランの珍行動からも、とんでもない選手なんだと気付かされる。

(小谷真弥 / Masaya Kotani)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY