高校通算64発、両打ち“怪童”が甲子園へ…ドラ1候補が強豪私立より地元を選んだ理由

新チーム以降は両打席から柵越えを狙えるスイッチスラッガーへ進化

 中学時代から「身体のバランスを整えるためにフリーバッティングで打っていた」という左打ちを高校入学後から本格的に取り入れはじめ、新チームからは実戦でも左打席に立つようになった。すでに左打席でも6本の本塁打を記録。両打ちのスラッガーとして可能性を広げ、更に進化しようとする貪欲さが伺える。

 試合の中でどちらの打席に立つかは「監督の指示ではなく自分で判断している」といい、「右のサイドやアンダースローに対しては左打席に立ちます。オーバーも球が遅い相手には左に立つこともあります。(投手がどちらの腕で投げるかではなく)間が合う方で打つようにしています」と打席をスイッチする判断基準を口にする。

 実際に香川大会の準決勝では、先発した丸亀のエース右腕・中村勇翔投手に対し4打席連続で右打席に入り、7回から右投げのアンダースロー・黒木雄太投手へ継投すると左打席へ入り、観衆をどよめかせている。

 長尾健司監督曰く「飛距離が出るのは右打ち、軸がブレないのが左打ち」。右打ちの場合は、昨夏の甲子園3回戦、智辯和歌山の中西聖輝投手(青山学院大)から高校通算36号本塁打を放ったときの「今までで一番良い形だった」というスイングをイメージしながら練習している。対して左打ちは西武の森友哉捕手をイメージしつつ試行錯誤中だ。プロの世界を見据える両打ちスラッガーだが、まずは2年連続で出場する夏の甲子園で大暴れするつもりだ。

(喜岡桜 / Sakura Kioka)

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