集団感染の県岐阜商、初戦敗退に監督「申し訳ない」 淡々と整列した社には感謝

大会第4日の9日第4試合、県岐阜商が社に1-10で敗れた
大会第4日の9日第4試合、県岐阜商が社に1-10で敗れた

開会式前日に集団感染、10人入れ替えで試合に出場するも社に1-10敗退

 6日に阪神甲子園球場で開幕した第104回全国高校野球選手権。大会第4日の9日第4試合では、県岐阜商が社(兵庫)に1-10で敗れた。新型コロナウイルス集団感染の影響でメンバーを10人入れ替えて挑んだ。2018年から指揮を執る同校OBの鍛治舎巧監督は「コロナに翻弄された学年。こんなことになって残念で仕方ない。申し訳ないです」と肩を落とした。

 県岐阜商は開幕前日の5日に新型コロナ集団感染が発覚し、翌6日の開会式を欠席。登録選手18人中、10人を入れ替えて試合に臨んだが、序盤から守備の乱れもあり、3回までに8点を失った。打線も、社の先発・堀田柊投手(3年)を崩せず、8回に内野ゴロの間に奪った1点のみだった。

 集団感染が発覚後、鍛治舎監督は2度、責任教師に出場辞退の相談をしたことを明かした。「残っている3年生の伊藤(颯希)や河合(福治)、古賀(暖人)の顔が浮かんできて、彼らが頑張っているのに。自分が頑張らなくてどうするのか」。何とか出場を目指した。

 コロナに感染した選手とは、療養後もメールでやり取りしていた。岐阜大会で5試合14イニングを投げた小西彩翔投手(3年)は陽性判定を受けたが無症状だという。「『いつでも投げられます』と言っていたので、何とか粘って(コロナに感染した)選手たちにつなぎたかった。申し訳ない。自分の責任です」と悲しさをにじませた。

 勝った社も試合後、喜びを表すことなく、淡々と整列した。「見る余裕がなかったんですが、本当にありがたい」と感謝した。試合後に、最後まで戦った県岐阜商ナインに、一塁だけでなく、三塁側スタンドからも惜しみない拍手が送られた。

(川村虎大 / Kodai Kawamura)

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