4年連続ワーストだったチーム防御率が1位に 西武・森友哉が明かす“改善”の理由
森友哉「慌ててリードすることがなくなりました」
さらにもう1人、有望なリリーバーが加わった。ドラフト1位ルーキーの隅田知一郎投手である。今季1軍で11試合に先発し防御率3.19をマークしながら、1勝7敗と大きく黒星先行。2軍での調整を経て、この日中継ぎ要員として戦列に加わった。辻監督は「先発で勝ちに恵まれなかったが、中継ぎでギアを上げて短いイニングを投げることは、いい経験になると思う。気持ちがもっと前面に出るかもしれない。経験として中(中継ぎ)に入れようということで、来年しっかり先発に戻ればいい」と説明する。いずれにせよ、防御率1.65の佐々木健投手が左肩の張りで登録を抹消されている中、隅田も貴重な左腕として重宝されそうだ。
成長著しく新人王の有力候補の水上、先発からの転向がハマった本田、新顔のスミス、ボー・タカハシらのリリーフ陣は多士済々。首位を走る原動力となっている。先発陣も、昨季1勝のサブマリン・與座が既にリーグ2位の9勝を挙げ、来日1年目のディートリック・エンス投手も7勝。補強も功を奏し、昨季まで4年連続リーグワーストだったチーム防御率は16日現在、リーグトップの2.48と劇的に改善されている。
リードする森友哉捕手は「今年は去年に比べて、四球が圧倒的に少ないと思う。おかげで慌ててリードすることがなくなりました。これまでは早くストライクを取って、早くアウトを取らなあかんと思ってましたが、今はボールでもいいやとか、1つ余裕ができて、配球しやすく、いろいろなことができるきっかけになっています」と明かす。
昨季の西武投手陣の与四球は、12球団ワーストの597(1試合平均4.17)に上り、リーグ最少の楽天の383(1試合平均2.68)とは大差があった。それに引き換え今季は、109試合で324。ソフトバンクに次いでリーグで2番目に多いが、1試合平均2.97に激減している。やはり投手の明暗を分けるのはコントロールと言えそうだ。
(宮脇広久 / Hirohisa Miyawaki)