投高打低の時代に出現した“異次元”貢献度誇る打者 1か月休んでもワンツーの2人

西武・山川穂高【写真:荒川祐史】
西武・山川穂高【写真:荒川祐史】

「チームの勝利をどれだけ上積みしたか」でパ野手を評価すると…

 今季、日本プロ野球は投高打低のシーズンと言われている。佐々木朗希投手(ロッテ)が4月10日のオリックス戦で完全試合を達成するなど、すでに4人がノーヒットノーランを記録しているのもその証拠だ。ただその中で、“異次元”の貢献度を叩き出している打者もいる。

 パ・リーグの打者をWAR(勝利寄与度)で評価すると、それがよく分かる。セイバーメトリクスの指標などを用いて分析を行う株式会社DELTA(https://1point02.jp/)が算出した指標で見ると、1位は山川穂高内野手(西武)の4.9。2位は松本剛外野手(日本ハム)の4.2だ。山川は開幕直後に右脚を痛め、松本は7月になって左ひざを骨折しそれぞれ1か月前後戦線離脱しているにも関わらず、上位を占めているのだ。また松本は昨季は2軍暮らしが長く、1軍でのWARは0.4しかない。ほぼ控えレベルだったのが、いきなり貢献度を10.5倍に引き上げている。

「WAR」は打撃、守備、走塁での貢献を総合的に見る指標で「控えレベルの選手が出場した場合と比べて、どの程度チームの勝利を上積みしたか」を示す。休んでいる期間があれば、数値を上積みしづらくなる。

 一般的な打撃成績で見ても、松本は現在打率.356で、2位の吉田正尚外野手(オリックス)に.040の差をつけ独走。山川も35本塁打しており、この部門で2位の浅村栄斗内野手(楽天)に15本差をつけている。2人ともリーグ全体の傾向に逆らったかのような強打を誇る。

 NPBでは2011年にも、反発係数の低いボールを使ったことで極端な投高打低に陥った時期があった。ただこの時もパ・リーグでは内川聖一内野手(ソフトバンク)が打率.338で首位打者に。2位の糸井嘉男外野手(オリックス)に.019の差をつけた。本塁打部門では中村剛也内野手(西武)48本を放ち、松田宣浩内野手(ソフトバンク)に実に23本差での独走キング。今季もより“異能”を際立たせるシーズンになりそうだ。

【表】WAR(勝利寄与度)で見た今季パ・リーグ野手の貢献度トップ10

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY