“13度目の正直”で大旗が白河の関越え　ダルビッシュらも挑んだ東北勢、決勝戦の歴史

仙台育英は春夏通じて東北勢13度目の決勝で初めて勝利、頂点に立った

　第104回全国高校野球選手権大会は22日に決勝戦が行われ、仙台育英（宮城）が8-1で下関国際（山口）を破り、悲願の初優勝を飾った。東北勢は過去に春夏通じて決勝に12度コマを進めたが、全て涙を飲んできた。ここでは過去に決勝に進出した東北勢の戦いを振り返る。

　1915年の第1回選手権で秋田中（現・秋田）が決勝に進出。京都二中（現・鳥羽）にサヨナラ負けを喫した。それから54年の時を経た1969年、三沢（青森）が右腕・太田幸司を擁して決勝で松山商（愛媛）と激突。延長18回引き分け、再試合で敗れた。空前のフィーバーを巻き起こした太田は近鉄にドラフト1位で入団。NPB通算54勝をマークした。

　1989年選手権では仙台育英（宮城）が初の決勝進出。大越基投手（元ダイエー、現山口・早鞆高監督）を軸に、準々決勝で元木大介内野手（現巨人コーチ）らを擁した上宮（大阪）を撃破するなど旋風を巻き起こした。帝京（東東京）との決勝では吉岡雄二投手（元巨人、近鉄、楽天）と投げ合い、惜敗した。

　仙台育英はその後2001年選抜で好左腕・芳賀崇投手を擁して決勝進出も常総学院（茨城）に惜敗。2015年選手権では佐藤世那投手（元オリックス）、平沢大河内野手（ロッテ）らの活躍で春夏通じて3度目の決勝進出を果たしたが、小笠原慎之介投手（中日）らがいた東海大相模（神奈川）に屈した。

　八戸学院光星（当時光星学院）は2011年夏、2012年春夏と3季連続で決勝に進出。田村龍弘捕手（ロッテ）、北條史也内野手（阪神）を中心に頂点にあと一歩に迫ったが届かなかった。2012年は春夏ともに藤浪晋太郎（阪神）、森友哉捕手（西武）らがいた大阪桐蔭に敗れている。

　メジャーリーガーも決勝で涙を飲んだ。パドレスのダルビッシュ有投手は東北高で2年春夏、3年春夏の4度甲子園に出場し、2年夏の2003年大会で決勝に進出。しかし、常総学院（茨城）に敗れた。ブルージェイズの菊池雄星投手は花巻東高（岩手）3年の2009年選抜で決勝にコマを進めるも、清峰（長崎）の今村猛投手（元広島）との投げ合いに敗れた。

　4年前の2018年選手権で旋風を巻き起こしたのが金足農（秋田）。吉田輝星投手（日本ハム）を軸に次々と強豪を撃破した。決勝では大阪桐蔭に屈したが、吉田は全6試合に先発。計50回881球を投げ、62三振を奪った。