なぜ村上宗隆は最年少150号を打てた? OBが唸った“必然”…類稀なる「状況作り」

令和初の3冠王は?「5番バッターが握っている」

 村上は初回の第1打席は外角のツーシームを引っ掛け投ゴロ、4回の第2打席は初球から3球連続でインコースを攻められ、最後は内角低めのスプリットで空振り三振。バッテリーが上手く抑えた形となったが「結論から言うと、バッテリーにあの球しか投げられない状況を作った。それこそが村上の凄さ」と指摘する。

 第3打席は1ボール2ストライクから5球目の内角スライダー、6球目のスプリットを見逃しフルカウントまでカウントを作った。「村上は誘いに乗らなかった。DeNAからすると5番にベテランの青木がいるので四球覚悟とまではいかなかった。結果的にスプリットを選択したが、村上は全てに対応できる準備をしていた。相手の攻め、バッテリーの心理を分かっている。ただ、能力だけでやっていない」と目を細める。

 これでリーグトップの打率.328、47本塁打、115打点と3冠王も現実のものになってきた。令和初となる3冠王の可能性について「2冠は決まったと思う。一番難しいのは打てないと減っていく打率。これからはもっと四球が絡んでくる。それを強引に打ちに行くと怖い。そういった中で、チームの勝敗も村上の3冠王も5番バッターが握っている。村上は打ちたい気持ちを我慢して四球を選ぶことができるか。そこがポイントになってくると思います」と野口氏。

 チームは勢いに乗るDeNAを相手に初戦を奪い、ゲーム差を「5」に広げた。リーグ2連覇の命運を握るのは村上は一体、どこまで成績を伸ばすのか。心身共に充実した若き主砲から目が離せない。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

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