「極端に言えば村上に失礼」 専門家が指摘するDeNAの本拠地17連勝が止まった1球

ヤクルト村上との勝負は「投手の条件が全て整わないと厳しい」

 野口氏が注目したのは3点を返し反撃ムードが漂った7回の守備だ。2死走者なしの場面で3番手・三上は村上に対しカウント2ボールからの3球目。捕手の嶺井は内角に構えたが、三上の投じた直球は真ん中に入り、試合を決定付けるソロを浴びた。

「極端に言えばあれは村上に失礼。三上は経験と度胸はあるが、決して速球派ではない。バッテリーは内角を要求したが、結果的に投げ切れない中で球威不足。仮にあのスピードなら内角に決まっても村上としても怖さは感じないと思います。(内角に)いっていいケース、投手の条件が全て整わないと厳しい。それぐらい今の村上は怖い。あの1本がダメ押しになって完全にヤクルトの流れになった」

 シーズンも終盤に差し掛かり、優勝争いを続けるチームとしては不用意な失点。打線も序盤にチャンスを作りながら2回と4回は併殺。得点圏に走者を進めても1本が出ない状況だった。本拠地での快進撃が続くなかで、首位との直接対決を迎えたが野口氏は「これまでの勢いで突き進んでいたが、直接対決となり少し意識した部分もあったかもしれない」と語る。

 首位決戦の初戦を落としゲーム差は「5」に広がった。「この負けを野手は引きずってはいけない。ですが、バッテリーは反省が必要になってくる」と野口氏。最大17.5ゲーム差をひっくり返し、大逆転劇を狙うDeNAにとっては令和初の3冠王も視野に入る村上を止めることが、勝利への近道となりそうだ。

(橋本健吾 / Kengo Hashimoto)

RECOMMEND

KEYWORD

CATEGORY