中日チームHR数が“村上ひとり”と大差ない衝撃 本拠地のせいにできない貧打地獄

中日・立浪和義監督【写真:荒川祐史】
中日・立浪和義監督【写真:荒川祐史】

8月は中日が6本塁打、村上宗隆が12本塁打…

 セ・リーグ最下位に沈む中日が、今季も貧打に苦しんでいる。広い本拠地での戦いとはいえ、チーム57本塁打は12球団で圧倒的な少なさ。シーズン序盤は順調にアーチが出ていたが、予期せぬ誤算も。シーズン途中加入の助っ人も迫力に欠け、就任1年目の立浪和義監督にとっては頭の痛い状況が続く。

 昨季も12球団最少の69本塁打、打率.237と苦戦。今季は目立った補強をせずに現有戦力の底上げで挑んだ中、3年目ドラフト1位の石川昂弥内野手がブレークの兆しを見せた。ドラフト2位ルーキー・鵜飼航丞外野手の奮闘もあり、4月中旬時点では前年同時期に比べて“約5倍増”の量産ぶりだった。

 しかし、石川昂と鵜飼が相次いで戦線離脱。6月はわずかチーム6本塁打に止まり、7月に12本塁打と盛り返したものの、再び8月は6本塁打と沈んだ。チームトップはダヤン・ビシエド内野手の12本。ただ、主砲の助っ人も2018年以来シーズン20発以上放っておらず、“巧打の4番”となっている。

 昨季と変わらぬチーム状況の一方で、ヤクルトの若き主砲・村上宗隆内野手は歴史的なペースで本塁打を放ち続けている。6月は14発で、中日の2倍以上。8月も12発を稼ぎ、9月4日には奇しくも中日相手に“ゴジラ超え”となる51号を放った。シーズン60発の日本記録も現実味を帯びてきた。

 仮に両者が8月と同じペースなら、中日はチームで63本、村上はひとりで61本でシーズンを終える。村上の勢いは増すばかりで、打者ひとりの本塁打数をチームの合計が下回る珍事が起こりうる可能性もある。

 もはや本拠地の広さを言い訳にできなくなってきた“一発欠乏症”。12球団で2桁本塁打を放っている選手が1人しかいないのは、現時点で中日のみ。ホームランは野球の華。勝てない打てないでは、低迷期からの脱出もおぼつかない。

(Full-Count編集部)

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